もっと変な給食/幕内 秀夫
日本中の「変な給食」を集め、実際にどういった給食が出されているかを写真で紹介した本。
ずいぶん前に、この前作を読んだが、本書も同様、数多くの、変な給食が紹介されている。
「ホットケーキとおかゆ!! この本に出たかったとしか思えない。」
- 中華七草粥
- 千種焼き
- 小松菜のサラダ
- ホットケーキ
- 牛乳
「えだ豆はお通しですか?」
- やきそば
- 小型パン
- えだまめ
- 牛乳
「なんでサラダにポテチ入れたの?おしゃれ度アップ?」
- クロワッサン
- ビーフシチュー
- あじたまご
- チップドサラダ
- イチゴ2個
- 牛乳
相変わらずの、キャッチコピーの“煽ってる感じ”に、軽い違和感を覚えるが、それでも、すごい給食がいっぱいだ。
メニューのなかに、ポテトチップスが散見されたのには驚き。
当たり前のように食べていた給食のメニューも、考えてみれば、ご飯でも、うどん(ソフト麺)でも、飲み物は牛乳というのは、おかしい。
慣れって怖い。
ちなみに著者は、何でもかんでも牛乳が出るという問題を解消する優先順位は低いと考えているようで、たとえ、牛乳が出されなくなっても、給食全体が変わるわけではなく、まずは、米飯給食が増える運動を優先しているそうだ。
最終的にこの問題を救うのは、完全米飯給食と主張する。
本書でも指摘しているとおり、たしかに、おかしな給食は、たいていの場合パンや菓子パンが主食のときだ。
ご飯は、腹持ちがよく砂糖が主体のデザートが付く献立になる可能性が低くなったり、季節感のある食材が増え、地産地消につながることも期待できる。
前作の内容に対し、読者から寄せられた疑問や質問に答えるページも設けられている。
そもそも、これらは、たまたま出てきたメニューではないということ…
給食の食事摂取基準を満たすためにこういった献立になってしまう…と、まことしやかに言われているが、実際は満たしていない場合が少なくないとか…
給食のための予算の大小でもなく、民間委託、給食センターは関係ないとか…
地産地消が生かされないのは、厚生労働省と農林水産省の縦割り行政の問題が原因とか…
給食関係者にももうちょっと頑張ってもらいたいと思えてくるし、きちんとした反論も聞いてみたい気もした。
飲食店では選択の自由があるが、給食ではそうはいかない。
逆に「給食では残さず食べましょう」…と強制的に食べさせる指導があるほどなのに、こんなひどいメニューだと、もう逃げ場がない。
子どもの好き嫌いだけで給食を食べさせることは、教育の放棄だと手厳しい。
“食育”という言葉が聞かれるようになって久しい。
ちょっと考えてみると、給食費未納の話は聞くが、それに比べて献立の話を聞くことって、ほとんどないと思う。
それだけ関心が低いのだとすると、やはり問題だと思う。