8080 新宿で2つの展覧会を鑑賞

今日は2つの美術館の鑑賞のために新宿へ。まずは「SOMPO美術館」へ。
こちらは1976年7月、東郷青児美術館として開館し、社名や美術館名の変更などを経て現在に至っている。
今回の展覧会は、開館50周年を記念して、開館した地である「新宿」がテーマとなっている。
新宿は、日本の近代美術(モダンアート)の歴史を語る上では欠かせない場所だそうで、明治時代末に新進的な芸術家が集まり、新宿に生きる芸術家がさらに芸術家を呼び込むことで、近代美術の大きな拠点のひとつとなった。
新宿ゆかりの芸術家たちをたどっている。
1 中村彝と中村屋
2 佐伯祐三と パリ/新宿
3 松本竣介と綜合工房
4 阿部展也と瀧口修造
といった感じの章立てになっている。
芸術家たちが集まったころ新宿からほんの少し足を伸ばせば、今では信じられないほどの田園風景が広がっていたよう。
のどかな、そして、荒涼とした、どこか寒々しさを感じる作品が続く。

展示されている順番はバラバラだけど、たまたま鉄道に関連した作品があったので、それらを取り上げてみる。こちらの《新宿駅》という作品は、以前、たしか東京ステーションギャラリーでも鑑賞したことのある気がする。
現在にも通じる賑やかな雰囲気を感じられる。
《N駅近く》というのは、ちょっと代わったタイトルだが、中井駅だそう。
これのどこが《電気機関車》なんだ?と思ったら、子供の描いた絵を元にしているそう。電気機関車だけではなく、何か別の要素が混じってる感じ。

これを見てすぐに思ったのは、ファミコンゲームの「スーパーマリオブラザーズ」だった。
のっぺりとした青空と白い雲。そしてお城のような建物(違うけど)。これはもうゲームの世界だろう。
どこかで見たことがあるなと思ったら、SOMPO美術館のシンボルマークになっていた。
日本におけるシュルレアリスムの原点のひとつとされる作品だそう。
手袋と靴下を片方だけつけ、月にむかって浮かんでいる。
なんとも不思議な構図だが、タイトルも気に入った。
続いてやってきたのは、新宿駅東口の「中村屋サロン美術館」。
以前から知ってはいたけど、今回初めてやってきた。



SOMPO美術館でも紹介されていたように、日本の近代美術(モダンアート)において、中村屋の存在はとても大きい。
そもそも中村屋の屋号の由来は、創業者である相馬愛蔵・黒光夫妻ではなく、居抜きで入った店の屋号だったそうだ。
そして、パンという商品を扱おうとしたのは、当時パンがインテリ層に広がりつつあって、相馬夫妻自らパン食生活を実験して、その合理性と可能性を確信し、「生活を変える文化」としての食を意識していた。
さらに、本郷から当時場末のような状況だった新宿に移転した理由も「外形は荒れているが、隆盛の気が芽生えている」と直感したからだという。
進取の気性や俯瞰的なモノの見方のできる相馬夫妻だからこそ、芸術家たちが集まるサロンとなっていったのだろう。
ロダンに強い衝撃を受けた彫刻家荻原守衛は、中村屋近くにアトリエを構え足繁く中村屋に通い、守衛を慕っていた中村彝も中村屋に出入りするようになる。
最後に、もっとも?興味深いと思ったのは、前述の通り、中村屋の中村は、創業者とは無関係であり、中村屋に出入りした中村彝も血縁関係はなく、中村屋のロゴマークは、洋画家・書家の 中村不折 による揮毫だが、彼も血縁関係がない。
こんなに中村が集まっていても、誰一人血縁関係がないというのがなんだかおもしろい。







