7603 企画展「アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界」
ミュシャといえば、アール・ヌーヴォーらしい草花で囲まれた優美な女性像を思い浮かべる。
あちこちで企画展が開かれるほど人気のミュシャだが、彼の作品の魅力をあらためて接することのできる企画展「市制施行70周年記念 アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展」を鑑賞した。
今日は、市民文化の日ということで入場が無料!
それなりにお客さんも多かったが、どうしようもないくらいの混雑ではなかった。

若い頃のミュシャは、舞台美術の助手や地元名士の肖像画を描いていたが、奨学金を受け美術を学んだ。
その後、奨学金を打ち切られてしまったため、生計を立てるために始めたのが本の挿絵の仕事だったそうだ。
この下積み時代の仕事が、のちの彼の活躍につながったという。
ミュシャが自らの作品の独自性を出そうとした結果が“ミュシャらしさ”となっていく。
解説で挙げられていたのは、こんな感じ。
1.淡い色
紫やピンクといった淡い色を用いた
※ 当時は、赤とか黒といった濃い色がポスターの基本だった
2.ボリュームのある人体表現+太い輪郭線
人物の肌の陰影を施して立体感を出して太い輪郭線で囲んだ
※ 当時は、平面的な人物表現の多かった
3.重層的な画面構成
モチーフの重ね方を工夫し前後関係を複雑にして現実と非現実ともつかない曖昧な空間を生み出した
※ モチーフを重ねた画面構成は、異な色の版を重ねて描く多色刷りの版画から生まれた新感覚の空間表現で、ロートレックも好んだ手法だった。
なるほど、ミュシャの作品を思い起こせば、だいたいこれらに当てはまる。
おなじみの作品はもちろん、習作やデッサンなど、これまで見たことのない作品も多数紹介されていて、思わず見入ってしまった。
後半は、油彩作品を紹介していく。
本格的に油彩画に取り組み始めたのは、彼がポスター画家としてパリやアメリカで成功をおさめた後のことであった。
油彩の作品は初めて見た。
もともと油彩の画家を目指していただけあって、油彩も素晴らしいが、言われなければ、彼の作品だとはわからないくらいだった。
著作権の問題なのか、一切の写真撮影が不可だったのは、ちょっと残念。
帰りの階段のところで、市民か市外から来たのかの”アンケート”があって、市外からがけっこう多いようだった。
今日は市民の日の”おこぼれ”に預かっている状況かも。
お土産コーナーは、大盛況。やはりミュシャは大人気だ。