8028 三菱一号館美術館展覧会「アール・デコとモード」
リニューアル後、サポーター制度がなくなってから、ちょっと足が遠のいていた、三菱一号館美術館へ。

展示されていたイヴニング・ドレスは、身体の凹凸を強調しない直線的なシルエットで、花弁や青海波を思わせる幾何学的な模様は、まさにアール・デコの装飾そのものだ。
19世紀末から20世紀初めにかけて流行したアール・ヌーヴォーがレースやフリルを多用してコルセットで身体を人工的に造形することで極端な曲線を生み出していた。
しかし、アール・デコ期になるとその様相は一変し、衣服は身体の曲線を強調しない直線的な裁ち線で構成されるようになった。
この方向性を明確に打ち出したのが、アール・デコというわけだ。
コルセットに代わりプラジャーとガードルが登場したのは20世紀初頭。
1920年代になると、肌の色に近いページュ系の色が下着の色として定着してくる。
「アール・デコ」という呼称自体広まったのは、1966年にパリ装飾美術館で開催された「Les annees “25°(「25」年代)」展だそう。
ずっとこういった呼び方や、時代の区分をされ続けてきたのかと思っていたから、これは意外だった。
そして、アール・デコが再評価されたのは、1960年代の社会情勢が、アール・デコ期の20年代のそれと類似性があったからという解説があって、なるほどと実感。

最後に、小企画展「フェリックス・ヴァロットン―親密な室内」を鑑賞。フェリックス・ヴァロットンについては、この美術館を訪れた前回の企画展で知った。
繊細というわけでもなく、ものすごく芸術的というわけでもないが、作品が醸し出す、どこかシニカルな作風は、時代を超えて魅力を感じる。
そんな彼の作品のなかで、気になったのが《版木破棄証明の刷り》。
部数限定で刷られる版画は、それ以上刷りができないよう版を破棄することが多いが、切断した版木の断片を組み合わせて希少性の印として版画集に付して販売したそうだ。
商売上手だ。








