7982 展覧会「フジタからはじまる猫の絵画史」

博物館・展覧会,芸術・デザイン

今日は、府中市美術館で開催中の展覧会「フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫」を鑑賞。

この連休中、府中市民文化の日でなんと鑑賞が無料!…ということで、これに合わせて行ってきた。

府中市美術館
府中市美術館
この連休中は鑑賞無料!
この連休中は鑑賞無料!
「フジタからはじまる猫の絵画史」
「フジタからはじまる猫の絵画史」

人間以外の”動物”で描かれる筆頭は、やはり”猫”だろう。それだけ身近な存在である猫は、かつて洋画では描かれることはなかったという。

あくまで絵の主役は人物であり、そもそも動物の絵が少ないのだ。

そこに猫というモチーフを持ち込んだのが、あの藤田嗣治で、フジタといえば猫というほどの存在になっていく。

彼の登場前、本格的に猫がモチーフとなった作品が、ちょうど先週、永青文庫で鑑賞した菱田春草の《黒き猫》だ。

そして、本展でも同じ年に描かれた《黒猫》という作品を鑑賞した。

こちらは、《黒き猫》と比べると子猫のようだが、永青文庫ではかなり離れていた作品との距離が、2、30cmくらいと間近だったがよかった。

藤田の猫好きは、以前、軽井沢の安東美術館でも”確認”している。

なぜ猫と女性を描くのかと問われると藤田は「女は猫まったくと同じだからだ。可愛がればおとなしくしているが、そうでなければ引っ掻いたりする」と答えたそうだ。

猫の気まぐれな性質を女性に重ねるのは、19世紀末以来西洋で好んで語られた猫のイメージの一つだったそうだが、今の時代だとなかなか微妙な表現かもしれない。

安東美術館にて
安東美術館にて
《猫の教室》1949年(昭和24年)安東美術館
《猫の教室》1949年(昭和24年)安東美術館
《アッツ島玉砕》1943年(昭和18年)東京国立近代美術館
《アッツ島玉砕》1943年(昭和18年)東京国立近代美術館

そして、後半で、特にエピソードとともに印象に残ったのが《臥猫》1948年(昭和23年)という、目を閉じて伏せる猫。こうした作品を繰り返し描いたというそのころ、画壇で戦争画家として戦争責任を問われていたそうだ。

この猫は、翌年日本を去る藤田自身だったのではないかもしれない…と解説にあって、なるほど…そうかもなぁ…と思った。

さまざまな猫たちと、これまた先日鑑賞した戦争画と同じ作者とは思えないほどの違いを感じる。

けっこうな行列
けっこうな行列

猫の絵画史とは、ずいぶん大きく出た感じもするけど、朝倉文雄《吊るされた猫》1909 年(明治42年)や、猪熊弦一郎《頭上猫》1952年(昭和27年)なども猫づくしの展覧会は楽しく鑑賞できた。帰りがけ、けっこうな行列ができていた。

大変な混雑というほどではないが、鑑賞しやすいように入場制限をしているようだった。

Posted by ろん