7593 生見尾踏切を見てみる
先日、京急生麦駅近くの踏切で死亡事故が発生した。
どうやらスマートフォンを見ながら踏切に入って、途中に設けられている待避場所を誤ってしまい、線路内で立ち止まっていたところ列車に轢かれたようだ。
実際、どんな踏切なのか、実際に現地の様子を見てみることにした。
東海道線、京浜東北線、横須賀線の3路線を渡っているJRの踏切だが、最寄駅は、京急の生麦駅。
品川駅ではまたイエローハッピートレインに遭遇し、京急川崎駅では特急列車待避中に運転士が通過列車の安全確認を行なっているのを見て、これまで他の鉄道会社では見たことがなかったからすごいと思った。
生麦はかつて急行も停車していたほど、比較的乗降客の多い駅だそうだ。
現在は普通しか停車せず、優等列車の待避を行う駅となっているようだ。
実際自分が下車したときも、大勢の乗降客がいた。
目的の踏切は、生麦駅の目と鼻の先にある。
東海道貨物線高島支線のガードを潜ると踏切だ。
前述のように3路線も通る踏切だから、渡る距離も待ち時間も長い。
ただ東海道線の踏切は独立して動作するので、意外と待たされないで渡ることもある。
朝の通勤時間帯ということもあって、やはり踏切を通れる時間は短く、頻繁に遮断機が降りる。
また踏切は平坦ではなく、ちょっと凹凸があって、渡りやすい感じではない印象。

踏切の様子を見てみると、この踏切を使うのは、自動車や自転車が多く、多くはないが歩行者もいた。
そして、やはり踏切と踏切のあいだの、待避場所に閉じ込められる人も少なくない。
印象的だったのは、ここを横断する人の多くは、歩行者自転車含めてスマホを見ているということだった。
踏切のすぐ隣には階段とエレベータがある。
長時間待たされるくらいなら、階段やエレベーターを使うしかないと思うが、スマホがあればそれほど時間を気にしないで過ごせるから、急がないのだったら、わざわざ歩道橋を使わない…という人もいるのかもしない。
事故はこうった状況で起きたのだ。
階段を上がって跨線橋を渡る。
エレベータは人専用で自転車は利用できない。
途中に階段があったり、渡った先から降りるにも階段しかないから、自転車はもちろん、車椅子も利用できない。
ただ、跨線橋からそのまま生麦駅に行けるから、駅の利用者(歩行者)にとっては、踏切を使わずにスムーズに移動できるようになっているのは便利だ。
以前より踏切廃止の意見もあるそうで、たしかに、もし踏切がなければ、この事故は防げた。
しかし、いわゆる”ながらスマホ”によるものであり、今回の事故は悲しいことではあるが、注意していれば確実に防げたはずなのだ。
もし踏切廃止されたら、自転車や車椅子などの移動ができなくなるわけで、こうした状況の手当を忘れてならないと思った。
また、事故の原因にかかわる踏切の途中に待避場所があることが問題として、一般的な踏切同様に1つの長い踏切にした場合では、渡れる時間は極めて限られてしまい、踏切として事実上使いものにならなくなってしまうかもしれない。
短時間で渡りきれないことや、凹凸があって渡りづらい踏切を急いで渡るときに事故が起きかねない。
こういったことを考えると、踏切の廃止よりもバリアフリールートの確立が先決なのではないかと思った。
帰りは京急鶴見駅で下車して、JR鶴見駅から京浜東北線に乗った。
途中、鶴見線のホームを見かけたので、ちょっとだけ様子を見てみた。
かつてあった中間改札はなくなっていて、新型車両E131系電車が停まっていた。
またすごい混雑ぶりだった。お客さんがほとんどいないときしか見たことがなかったから、少し新鮮な光景だった。