[社会の窓]ハイドランジア オタクサ
ここ最近は、ときどき雨が降ってそろそろ梅雨かなと思うと、ふたたび晴れが続く…を繰り返している感じがする。
それでもアジサイはちょっとずつ色味を増して、一足先に梅雨の雰囲気を醸し出している。
ふと、アジサイの学名に日本人の名前が付けられているみたいなことを思い出した。
検索してみる。
ドイツ生まれの医師であり博物学者であったシーボルトは、医師として長崎の出島にやってきた。
医師の育成や、日本ンの文化や植物など世界に広く紹介した一方で、私生活では、お滝(おたき)を妻に迎え娘もできた。
しかし、日本地図を国外に持ち出そうとした罪で、国外退去処分となってしまう。
そのため、もう二度と妻や子に会えなくなってしまうのだが、その思いを、彼が”発見”した、アジサイの学名Hydrangea otaksa(ハイドランジア オタクサ)にしようとしたそうだ。
しかし、彼が命名する前に「Hydrangea macrophylla (ハイドランジア マクロフィラ)」という名前がついていたため、採用されなかったという。
なんとも切ないお話だ。