「おっさんレンタル」日記/西本 貴信

■趣味・実用・人生論, 龍的図書館

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「おっさんレンタル」日記
西本 貴信
大和書房 2014-12-19

by G-Tools , 2016/03/06

 

自分の醸し出す雰囲気のせいか、子どものころから、周囲からも、自虐的に自分自身も、どこか「おっさん」ぽいと思ってはいたが、いつの間にやら、自分も正真正銘のおっさんになっていた。

おっさんという響きからすれば、ちょっと近寄りがたい感じがするけど、それを”レンタル”してもらおうという発想も、そして実際に依頼があるというのもすごい。

著者の本業はファッションプロデューサー・スタイリストだ。

そんな彼が、きまぐれで始めたおっさんレンタルの大まかなサービスの流れは…

1.僕をレンタルしたい人が、ホームページから注文する
2.メールなどで、会う日時などをやりとりする
3.実際に依頼人に会って、「レンタル内容」をこなす
4.1時間が過ぎた段階で終了(延長も可)

となっている。

釣り堀で「父」にある報告をしたい青年、医者になるかどうかを悩む女子医大生、生き別れた息子と再会する初老の女性、妹が病魔に侵されている姉妹…

…といった、さまざまなエピソード(本書カバーより)をはじめ、話を聞くだけでお金取るのか?と言われたり、依頼者が目の前でキャンセルの相談をし始めたり、はては「大人の見本を見せろ」とナンパさせらりたり…と、苦労なども紹介されている。

読み始める前は、「楽して儲けてる」感じがしていたのだけど、けっして楽な"商売"ではないことがわかる。

個性の強い依頼者と直接向き合い、触れ合うというのは、かなりのパワーが必要だと思う。

しかしそれによって、著者はさまざまな気付きが得られたし、人間的にも成長できたという。

世の中の需要がマッチしたことや、奥様(かなり若い)の理解もあり、本書が書かれた段階で2年以上も続くこととなった。

その後(現在)、著者が募集し共感した130人以上ものおっさんが登録され、おっさんレンタルされている。

こうしたサービスが流行るのは、どこか寂しい気もするが、依頼者から見てあくまで”第三者”の立場だからこそ…とか、1000円というお金を取るからこそ…といった適度な距離感と、このサービスを始めた著者の人柄によって成立しているのかもしれない。

けっしてこれは”商売”というのとは違う感じがする。

僕自身、さすがにやってみよう…とは思わないけど、著者のように、もっと積極的に生きてみることで、もっと楽しい毎日が過ごせるのかもしれない…と思った。

Posted by ろん