地獄絵/新人物往来社編

地獄絵 (ビジュアル選書)

新人物往来社編

「地獄」という言葉は、さほど珍しい言葉ではなく普通に使われることばあるが、その“実態”については、意識することはあまりないはずだ。

もちろん、地獄は空想上の世界のことだが、誰もが勝手に地獄を想像してしまっては、そもそも地獄が存在する意義はないに等しい。

つまり、共通認識として、地獄というものの恐ろしさを、みんなが知っているからこそ、地獄が恐れられ、地獄に行くことを避けるべく、善行を積むことになるのではないか。

地獄が絵の題材として、誰にでも、わかりやすく描かれてきたのは、そういう理由があるのではないかと思う。

この本では、そんな知られざる地獄を紹介している。

閻魔王庁での裁きを受け、最も罪深いとされた人たちが堕ちるのが、地獄道だ。

そういえば、今年、閻魔大王に会ったっけ。

犯した罪が重さや、重ねた罪の種類によって8つの地獄があるそうで、とても論理的に建て付けられている感じがする。

そのうち、本書では、等活地獄、黒縄地獄、衆合地獄、叫喚地獄が紹介されている。

見るも痛々しそうで、苦しそうな地獄がこれでもかと続く。

いずれも、死んで地獄に行ったはずなのに、なぜがずっと死ねないのだ。苦しみ続けるために死ねないというのは、確かに地獄だと思う。

;この前、今度生まれ変わったら…という話を書いたが、地獄に行く人は、当然ながら、思うようにならないことになっているわけだ。

「四苦八苦」という言葉…これは仏教の教えであるそうで、根本的な苦しみを生・老・病・死の四苦というふうに分類しているそうだ。

これらも、ちゃんと絵で紹介していて、例えば、服もまともに着ることができないまま仕事に向かう老人を“老苦”の例として描かれている。

そもそも地獄とは、仏教の輪廻という考えに基づく6種類の世界のうちのひとつだ。その6つの世界とは…

天道(てんどう)
人間道(にんげんどう)
修羅道(しゅらどう)
畜生道(ちくしょうどう)
餓鬼道(がきどう)
地獄道(じごくどう)

最下層はもちろん、地獄(道)だ。

本書では、地獄道に加えて、餓鬼道や畜生道も紹介。

自らの脳を食べることしかできないとか、亡くなった両親のお供え物だけを食べることしかできないとか、お腹が膨れてるのに口が針の穴のように小さいので食べることができないといった餓鬼も登場。

地獄の世界そして、仏教の教えの奥深さも感じた。

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