[図解]フリーのからくり/キーワード101

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[図解]フリーのからくり (Kobunsha Paperbacks Business) [図解]フリーのからくり (Kobunsha Paperbacks Business)
キーワード101
光文社 2010-06-19
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いま、世の中は、“無料”であふれかえっている。

ごく普通の生活をしているなかで、無料の文字を見ずに暮らすことはできないと言っても過言ではないくらい。

いずれのサービスも、無料ではあるけど、当然ながら、きちんと利益を得ている。果たして、どういう形で利益を得ているのか?…という視点で、59の無料ビジネスのカラクリを解き明かしている。

ただ、やはりというか、その多くは、広告を使ったもので、あまり“面白くない”

たとえば、インターネット検索最大手のgoogleは、2兆円とも言われる売上の実に9割が、広告によるものだという。

しかし、当然ながらうまくいくとは限らない。

読者ターゲットを絞り、有料雑誌に匹敵するレベルのフリーペーパーとして、一世を風靡?した、R25と、それに続く、L25は、僕も毎週欠かさず手にしていた読者であったが、その後、R25は隔週刊、L25は月刊化してしまった。

その理由は、広告減少への対応と媒体の広告価値を高めるため編集内容の見直し…ということであったが、結局、R25は隔週刊となったまま復活の兆しは見せないし、L25にいたっては休刊してしまったのかどうかわからないくらいのフェードアウトぶりだ。

本来、理屈の上では、無料で高品質であればより多くの人が読むから、広告としての価値が高まる…はずだったのに、そうならなかった。そもそも、広告が集まらないのだから、どうしようもない。

おかきを無料で振る舞うことで、かなり話題になった「無料カフェ 播磨屋」も、結局有料になってしまっている。

本書では、無料である以前に、儲けられる十分な魅力、話題となる理由があるか?というのが、共通点としてあげられると指摘している。

しかし、先述のように、ここへ来て、無料ビジネスの一部に変調が見られる。魅力や話題があっても、無料が維持できなくなってきているのだ。

そう考えると、やはり広告だけに依存しないビジネスが大事ではないか?

落とし物として廃棄される傘を再生し、無料でレンタルするサービスがあるという。しかも、このサービスを利用が無料であるばかりでなく、返却時には地域通貨を進呈するという太っ腹ぶり。

傘は、年間1億3000万本消費されるそうだが、そのうち9割が輸入ビニール傘らしい。短時間だけ使う傘をみんなの共有物にしようという発想らしい。

もちろん、傘の維持のために協賛する企業の広告も大事だが、環境に対する考え方の変化に合ったビジネスだからこそ、支持を集めているのだろう。

また、放置自転車を引き取り再生して、大学生や観光客に提供する、無料レンタル自転車等も紹介されていた。

地方自治体からは、保管や撤去に費用が掛かる自転車の処理の手間が省ける一方で、環境に対する意識にも対応できるということで、これも評判がいいらしい。

広告だけに依存しないビジネス…まだまだ、これからも出てきそうだ。

さまざまな無料ビジネスの紹介は面白かったが、成功事例ばかりでなく、失敗した事例もぜひ載せて欲しいと思った。そして、また数年後に、この本で紹介されたビジネスが、その後どうなったか?なんていう、追跡もしてもらえるとより、興味深くこのビジネスを知ることができると思った。