3041 伝えることの難しさ
独り暮らしの80歳女性の様態を心配したマンション管理人が119番通報したものの、救急出動せず、その後その女性が亡くなってしまったというニュースがあった。
同本部によると、7月23日午後7時5分ごろ、「80歳の女性が食欲不振で動けない状態だ。今はアイスクリームを食べている」とマンションの管理人から119番通報があった。話が長時間になりそうだったため、対応した隊員は回線がふさがることを心配して本部の加入電話でかけ直すように指示、相手は「分かりました」と応じたが、電話はかかってこなかった。(Yahoo!ニュース/産経新聞 2010.8.31)
大変痛ましいニュースだが、これにはいくつかの問題を示唆している。
「不必要に救急の出動要請をする人が多い」という事実。救急出動に影響が出ていることから、電話の状況に応じて出動を判断せざるを得ないことになる。
そして、もうひとつ、強く思ったことがある。それは「伝えることの難しさ」だ。
記事には、“話が長時間になりそうだったため”とある。食欲不振で動けない状況を説明するだけで、どうして長時間に及びそう…と判断されてしまったのだろうか?
通報した管理人に落ち度があるとは言いたいわけではなく、こういったことは、誰の身にも起きうるのではないか?と言いたいのだ。
年齢を重ねてきたせいか、最近、言いたいことがうまく伝わらなかったり、言葉を思い出せずとてももどかしい思いをすることが増えてきた。場合によっては、命をも左右しかねないかも…と思うと、とても人ごととは思えない。