3042 紫煙地帯

日常生活

毎朝、会社に向かう途中で、たばこの煙を強制的に吸わされる場所がある。

その場所が、地域の喫煙場所として指定されているわけではないようだが、灰皿がいくつか置かれているせいで、愛煙家があちこちから集まってくるようなのだ。

離れた場所から見ると、そこは、モワッと煙が漂っているようにも見える。紫煙とでも言おうか。

かつて、僕は、たばこの煙に対して、あまり意識したことがなかったし、むしろたばこの煙のにおいは嫌いではなかったから、たばこを吸わないけど、かなり寛容であった。

しかし喫煙可能な場所がどんどん減り、公共の場所ではほとんどが禁煙となってくるにつれ、たばこのにおいに敏感になってしまったのだ。そして、自分の身体がまるで“センサー”にでもなったかのように、ほんのわずかな煙やにおいでも感知してしまうようになってしまった。

禁煙運動の高まりや、公共場所において喫煙を制限する法律の施行によって、喫煙可能な場所が限られるようになると、先述のように、たくさんの愛煙家を集める結果となる。

朝から、モワッと煙が漂っているなかを通り抜けるのは、気分的にあまりいいものではない。

愛煙家から見たら、これ以上の迫害されてはかなわない…と思うかもしれないが、たばこを吸わない人にとって、毎日、紫煙地帯を通り抜けるのは、やっぱり、かなわない。

Posted by ろん