2568 「1970年大阪万博の軌跡」展

旅行・見学・イベント

つくば科学万博以来、妙に万博に興味を持ってしまって、愛知万博はもちろん、万博関連イベントや大阪万博最大の象徴である太陽の塔を見に行くなどしてきた。

そして、また「特別展 1970年大阪万博の軌跡 2009in東京」(1月22日〜2月8日)という展覧会が開かれるということでさっそく行ってきた。

1970年大阪万博の軌跡 国立科学博物館

開館時間前から行列

開場する9時前に着いたにもかかわらず、すでに多くの人たちが列を作っていた。

やはり、6400万人もの人たちが見に来たという、大阪万博の根強い人気を垣間見たような気がする。

日本館ホステスユニフォーム



最初の展示は、日本館のユニフォーム。とてもシンプルなデザイン。「日本館“ホステス”ユニフォーム」という表現に時代を感じさせる。

ポスターや当時の新聞記事などに続いて、日本館に展示されていた、幅20mもの巨大なタペストリー「かなしみの塔」と「よろこびの塔」。前者は、見た瞬間、それが何を意味しているのか分かるデザインで、とても印象的。ただ、そのタペストリーの“寝かされ具合”が水平に近いために、迫り来るようなインパクトに欠けるのが残念だった。

かなしみの塔
かなしみの塔
よろこびの塔
よろこびの塔

これも、当時の日本館に展示してあった3体の文楽人形ロボット。実に39年ぶりに修復され動く状態での展示だった。音楽に合わせて踊る様はなかなかリアル。本格的な“ロボット”とまではいかないまでも、文楽の雰囲気は十分に出しているようだった。まあ文楽をよく知らないんだけど。動力は圧縮空気を使っているためか、空気がプシュプシュ抜けるような音がしていた。ロボットの後ろが気になってのぞき込む。

同じく日本館に展示されていた月の石、そのほかのさまざまなパビリオンや当時の苦労などを紹介する映像などが続き、興味深く見学。

大阪万博で初めてお目見えしたもので、現在ひろく普及しているものは少なくなく、その代表的な例としては、携帯電話が比較的有名だが、「人間洗濯機」と呼ばれたウルトラソニックバスも、現実のものとして使われているという展示に驚かされる。そもそも発想自体斬新すぎて「人間洗濯機」という言葉もなんだか浮世離れしていている感があったが、現在は介護用浴槽やドラム式洗濯機などに、その技術は生かされているのだという。また、電動アシスト付き自転車も同様に登場している。

“人間洗濯機”
人間洗濯機という発想が…
介護用浴槽
なるほど、介護用浴槽か…
ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機

太陽の塔
インパクト十分な太陽の塔

時代を超えて、いまでも強烈なインパクトを与え続けている、あまりに有名な「太陽の塔」は、僕を“万博好き”にしたきっかけのひとつ(もうひとつは、もちろん科学万博)。

この太陽の塔は、テーマ館というパビリオンの一部になっていて、太陽の塔の内部も魅力的な展示がされていたようで、現在もそのまま残されていると聞く。通常は公開されていない内部の雰囲気をちょっとだけ味わうことができる。

生命の樹
アンモナイト?
生命の樹
三葉虫?
生命の樹
クラゲ?


当時の盛り上がり方を象徴するような万博関連グッズの数々。

雪平鍋の蓋? 太陽の塔がいっぱい ゴミを捨てるなの呼びかけまで…
ラジオの柄?お茶碗にも…

戦う太陽の塔

万博のロゴさえつければ、なんでもいいのか?とツッコミを入れたくなるくらい、あらゆる商品があったみたい。

週刊漫画雑誌「少年マガジン」には、ちょっと見えにくかったが、何かと戦っているロボットらしきキャラクター…その顔は、太陽の塔そのものだ。

もう、何でもアリである。

記録映画
記録映画
人、人、人
人だらけ

「人類の進歩と調和」をテーマだった大阪万博。当時の写真や映像を見ると、「これからどんな未来が待っているのだろう?」といった感じで、人々の表情は輝き、心底楽しんでいるように見えた。

科学技術をはじめとする人類の進歩が、人々の期待を上回っていた幸福な時代なのかもしれない。

そしていま、“進歩”も“調和”も、もはや死語に近い。

写真や映像に写る、おびただしい人たちに、猛烈なパワーを感じた。もうこんな時代は来ないだろう。もはや、ここの展示は、あくまで人類の進化の過去・過程にすぎないのだ。

いま世の中が、しずかに大きく変わりつつある。

これからの未来はどうなっていくのか、しばらくの間、自分自身で目の当たりにできるのは、それはそれで楽しみではないか。

なんだか、うまくまとまらないけど、こんなことを感じながら、会場をあとにした。


おまけ・その1

思わず買ってしまったお土産。

ふだんなら、自分のためにお土産を買うなんてことはほとんどないが、この商品と目があった瞬間、どうしても欲しくなって、つい2,500円も出してしまった。詳しいことはわからなかったが、当時使われていた何かの部品らしい。太陽の塔の顔と、裏のロゴがいい感じ。


おまけ・その2

似たようなヤツもいるもので…
似たようなヤツもいるもので…

写真撮影OKということで、多くの人たちが展示品の写真を撮っていたが、こんな人を発見。

リカちゃん?
えっ…

いやな予感?がしていたが、やはり…

うちのダミーと同じ感じように、人形と展示を組み合わせて写真を撮っていた。

その人形は…リカちゃんか?

実は今回、ダミーを持って行くのを忘れてしまったのを思い出して、複雑な思いになった。

Posted by ろん