廃墟ディスカバリー/小林 哲朗
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廃墟ディスカバリー 小林 哲朗 アスペクト 2008-09 |
廃墟とは、日常の中にある非日常だと思う。
子供はそんな場所が大好きだ。入ってはダメと言われていても、好奇心には勝てない。予想もしないようなものが出てくるのだから、楽しいに決まっている。
大人になると、多くの場合、そんな好奇心は薄れ、いつしか無関心もしくは、嫌悪の対象となってしまう。それでもまだ好奇心を持ち続ける人たちは少なからずいる。僕もそのひとりだ。
子供の頃の興味の対象は、あくまで目の前にある廃墟そのものだが、大人になると。その廃墟が廃墟でなかった時代に思いを馳せる楽しさが加わるのではないだろうか?
廃墟では、荒れ果てた目の前の風景に「時間」という軸が加えやすい場所だ。「これは何に使われていたのだろう?」とか「どんな音を立てて、どんなにおいがしたのだろう?」 想像が広がってくる。ちょっと大げさに言えば、廃墟は、過去へタイムトラベルできる場所なのだ。
もちろん、いろいろな解釈や楽しみ方があるから、一概には言えないけれど、この本・・・というより「写真集」を通じて、自分なりの廃墟の楽しみ方を見つけてみるのもおもしろい。
どれも美しい写真ばかりで、“廃墟”という言葉のもつ猥雑さを忘れてしまう。タイトルどおり、廃墟から何かを発見できるような気がする。
