1846 ダミーから学ぶこと

定点観察

たとえそれが「楽しい思い出」であっても、その思い出を一緒に作った人のことを思い出すのが“つらい”と感じてしまうと、それ自体も、つらくてできれば思い出したくない出来事になってしまう…自分の中では、もっとも悪い思考回路のひとつだと思っている。

この対象が今回はダミーなのだから、事態は深刻だ。外出のほとんどを共にしてきたのだから、見るものすべてが、つらくて思い出したくない出来事に変わる可能性があるということだ。

これまで何度となくピンチを切り抜けてきた。落としそうになりながらも、やっぱり自分の手元に残った。落とす機会はあったし、いずれなくすこともあるかもしれない…などと思うときはあっても、あくまで空想上の出来事だった。

そしてそれは現実のものとなった。ダミーがいなくなって、1日が経った。今日も探してきたけれど、やはりなかった。

いまは何にも考えられないけど、ここから何かを学ばなければならない。
「落とさないように気をつける」・・・といった単純なことではなく、もっと深く重いことを僕に諭してくれたような気がしてならないのだ。

「本当に大切なものを失う」ということが、いったいどういうことなのかということを、ダミー自身が身をもって教えてくれたような気がする。そしてダミーは、先述した僕の悪い思考回路を絶ち切るよう願っているのではないか…と。

ただ今の段階で確実に言えることは、何年もの間、行動のほとんどを共にしていたダミーが、もう自分の手元にはいないということだ。

Posted by ろん