1354 折り合い

定点観察

上越新幹線が、世界初の超高速鉄道である東海道新幹線の開業以来初めての脱線として大きく報道されている。確かに衝撃的だし、一歩間違えれば大惨事になるところだった。しかし駅に近づいていたことから減速中だったこと、線路が直線の区間であったこと、車両が200系という比較的古いタイプで車体重量が大きかったこと、豪雪地帯を走る上越新幹線特有の融雪排水路が車体の転覆を押さえる働きをしたこと…などなど、かなりの幸運に恵まれた結果、比較的小さな被害で済んだとされる。ただこれらのニュースを伝える報道においては、必要以上に不安をあおり立てないで欲しい。対策には自ずと限界がある。地震対策を施せば施すほど、そのコストはそのまま利用者に跳ね返るのだ。現実的なところでの折り合いがどうしても必要になる。そのバランスが難しいのだけれど…(2004.10.25)

Posted by ろん