超高層ビルなんでも小事典/鹿島建設

406132750X 超高層ビルなんでも小事典―意外に知らないその素顔
鹿島建設

講談社 1988-10
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 サブタイトルにもあるように、意外と知らない超高層ビルについての情報をわかりやすく教えてくれる。「地震が多く地盤が緩いところで超高層ビルを建てることができるのはなぜか」「大きさの割に早く完成するのはなぜか」「建設中に使われた巨大なクレーンは工事終了後どうなるのか?」なんてことは、実は知っていたりするのだが、前からちょっと疑問だったことが言われて気付くネタがたくさんあった。そのうちのいくつかを紹介しよう。ちょっと古い本だけれど、ここに書けなかったことも含めて、今でも十分通用する話ばかり。おもしろかった。

エレベータの数や配置の工夫

例えば、30~40階建ての一般的なビルの場合、まずフロアを4つくらいに分け(これをバンクと呼ぶらしい)、それぞれにエレベータを6台くらい用意するのだそうだ。つまり1階(ロビー階)には、だいたい24台程度のエレベータが並ぶことになるが、これが100階建てだったらどうなるか?単純に考えると、12バンクは必要となって、ロビー階には、なんと70台以上のエレベータが並んでしまうことになる。なんのために超高層ビルを建てたのだかわからなくなる。そこで、30階建てのビルが3つ積み重ねるという考え方が編み出された。ビルの30階くらいのところにスカイロビーを設けて、それぞれをつなぐエレベータを用意するやり方だ。なるほどうまいこと考えるな…実際にこれが使われた例として挙げられていたのが、今はなきワールドトレードセンターだったのだけれど…

外壁掃除の理由

 外壁掃除って見栄えだけなのかなと思っていたら、(もちろん見栄えという理由もあるが)外壁の材質によっては腐食するおそれがあるからなのだそうだ。また高さによって汚れが違うそうで、10階付近が一番汚れているらしい。

給水と排水の話

ビルにはたいてい給水タンクがあるものだけれど、超高層ビルの場合はどうなっているか?もちろん一番上にあるもんだと思っていたが、もし本当に一番上だけに置いてあったらどうなるか?例えば150mの高さのあるビルの1階付近では、水圧150mの水が噴き出すことになる。普通の水道では10~20mの水圧というのだから、そのすさまじさは想像に難くない。間違いなく事故になる…で、どうするかというと、なんてことはない、ビルの途中にいくつか給水タンクを設置するとのこと。ちなみに、排水は大丈夫らしい。最初は給水と同じようにものすごい勢いで落ちていくものと思われ、それを予防する排水管が作られたケースもあったらしいが、実際には、管の内側を水で満たされておらず、排水は管の内側をまとわりついて落ちていくため、2~3階以上の高さがあっても、まったく問題ないらしい。

(2004/10/09) 【★★★★★】 -04/10/10更新

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