8141 切り抜かれたページの向こう側
昨日、板橋区立美術館から高島平図書館まで歩いた。
静かな館内でいくつかの本を手に取っていたのだが、そこで雑誌の切り抜き被害に対する注意書きが、かなりの数掲示されているのが目に留まった。
その数の多さに、被害の深刻さを改めて目の当たりにした気がする。
なかでも、「こんな雑誌まで……」と驚きを隠せなかったのが、以下の二誌だ。

『きょうの料理』
『3分クッキング』
こうした実用雑誌を切り抜いていくのは、一体どういった人たちなのだろうか。
普通に考えれば、切り取ったレシピを参考に料理を作るのが目的なのだろうが、ふと「誰のために作るのか」と考えてしまう。
仮に自分自身のためだけだとしても、公共物である図書館の雑誌を損壊してまで手に入れたレシピで作る料理は、一体どんな味がするのだろうか。
彼らの考えや行動には、理解できる部分が微塵もない。
注意書きの向こう側に、自分とは全く異なる価値観や思考回路を持つ未知の人たちが存在している。
そう想像したとき、少しだけ恐ろしさを感じた。