パブリックアート入門/浦島 茂世

■芸術・デザイン,龍的図書館

街角に馴染むように置かれている「パブリックアート」。

ひとたび設置されれば、長期にわたってそのままになることから、風景に溶け込んでしまい、なかなか注目されづらい存在だと思う。

パブリックアートが設置された経緯や作者の思いなどを辿ると、さまざまな発見や意外な事実、その時代に社会的な背景などを感じることができる。

まず冒頭に、六本木ヒルズに設置された巨大なクモ《ママン》について紹介される。

(最近は行ってないけど)何度となく見てきたのに、本当に知らなかったことだらけだったことに気が付かされた。

身近な霊を挙げながら、パブリックアートのながれが解説されている。

マーキュリー像
新宿の目
傘の穴は一番星
平和の誓い
南瓜
グローイング・ガーデナー

どれも見たことがあるものばかりだった。

そして本書の中盤以降は「日本のみておくべきパブリックアート30」として、さまざまなパブリックアートを解説する。

ホームレスをよけを意図した”排除アート“や、設置側の都合で排除されるパブリックアートになど、
最終章では、パブリックアートを取り巻く問題について取り上げられている。

実際、本書で鑑賞できるパブリックアートとして「ハチ公ファミリー(p.31〜32)」が紹介されているが、つい先日撤去されてしまっている。

ずっとあると思ってしまうパブリックアートだが、気づいたときにはなくなってしまうこともある。

見慣れた風景であっても、ときどき意識して、あらためてパブリックアートを見つめ直してみたい。

[参考]紹介されている「日本のみておくべきパブリックアート30」
(◯は観たことがある、✕はまだ観たことがない)

1 ◯ 岡本太郎《明日の神話》 渋谷駅西口
2 ◯ 井上武吉《my sky hole 85-2 光と影》 東京都美術館前
3◯ 猪熊弦一郎《自由》 上野駅中央改札口
4 ✕ ナムジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》 キャナルシティ博多
5 ✕ レベッカ・ベルモア《私は太陽を待つ》 ファーレ立川
6 ◯ 矢橋六郎《緑の散歩》 東京交通会館のモザイク画
7 ◯ ロバート・インディアナ《LOVE》 西新宿交差点
8 ◯ イサム・ノグチ《モエレ沼公園》 札幌市東区
9 ◯ 岡本太郎《太陽の塔》 大阪府吹田市万博記念公園
10 ◯ 丸の内ストリートギャラリー 丸の内仲通り
11 ◯ 黒川晃彦《リバーサイドトリオ》 東京都港区新芝運河
12 ◯ フィリップ・スタルク《金の炎》 浅草アサヒビールタワー
13 ◯ 安田侃《妙夢/意心帰》 東京ミッドタウン
14 ✕ アントニー・ゴームリー《ANOTHER TIME XX》 大分県国東半島
15 ◯ 安藤泉《キリン》 スターツ八重洲中央ビル前
16 ✕ 浅葉克己《石の卓球台》 東京都大田区新田神社
17 〇 佐藤玄々《天女像》 日本橋三越本店
18 ✕ チェ・ジョンファ《フラワーホース》 十和田市現代美術館
19 ✕ 最上壽之《モクモク・ワクワク・ヨコハマ・ヨーヨー》横浜みなとみらいグランモール公園
20 ✕ クレス・オルデンバーグ《Saw, Sawing》 東京国際展示場
21 ◯ 都営大江戸線・駅舎デザイン 飯田橋駅など 赤羽橋 六本木 蔵前 清澄白河
22 ✕ 水木しげるロード 鳥取県境港市
23 ✕ 山下恒雄《金鋼鎚起 豊展観守像》
24 ◯ 澄川喜一《東京スカイツリー》
25 ✕ 中谷芙二子《霧の彫刻 #47610 ―Dynamic Earth Series Ⅰ―》  長野県立美術館
26 ◯ 三島喜美代《Work 2012》 東京都品川区東品川
27 ✕ 籔内佐斗司《犬モ歩ケバ》 横浜ビジネスパーク
28 ◯ 福沢一郎《天地創造》 京葉線東京駅通路側壁
29 ◯ 山口晃《日本橋南詰盛況乃圖》 銀座線日本橋駅
30 ✕ レアンドロ・エルリッヒ《雲》 千代田区飯野ビル

Posted by ろん