プロフェッショナルの5条件/ショーンK
経歴詐称問題が発覚するまで、彼のことはほとんど知らなかった。
でも、あちこちでナビゲーターや、コメンテーターとして活躍していたということは、きっと何かに長けていたのだろう。
いったいどういった人物だったのかということを知りたくて、著書を図書館で探して取り寄せてみた。
著者のラジオ番組で、400人以上もの起業家やビジネスマンをインタビューを行った。
彼らに共通する要素を見つけだし、そこにビジネスを勝ち抜くための5つ条件…
自問力
構想力
失敗力
協創力
愚直力
…を紹介。
あまり小難しいことは書かれておらず、けっこう読みやすい。
また、奇をてらったこともなく、ある意味オーソドックスな内容で、本当のプロフェッショナルは、こういった本は読まないかもなぁ…なんて思ってしまった。
リスナー(ラジオ番組なので)のお悩み相談が巻末に載っているのだが、その内容も、けっこう"ベタ"な感じだ。
「企画力を身につけるにはどうしたらいい?」とか「書類選考を通過するための経歴書の作り方」とか…。
でも、著者の解答はすごく真摯的で具体的で、わかりやすいと思った。
まるで、彼の経験に裏打ちされたかののような内容に、本当に彼が経歴を詐称してきたのか?と疑いたくなるくらいだった。
実際、本書の中でところどころに、こういったことが書かれている。
現場の声がトップに伝わらないというのは非常に恐ろしいことです。だから、私の会社でも週に2回は必ず、世界中六カ国七都市の社員、アソシエイトとビデオ・カンファレンスでコミュニケーションを取っています。p.179
いったいどうしたら、このように堂々と言えるのだろう?
あぁ…もしかすると、彼の魅力?は、これなのかも…。
あたかも自分が経験してきたように、堂々と、起業家やビジネスマンの言葉を、著者の言葉に翻訳し、誰もがわかりやすい形で紹介する。
こうしたわかりやすさは、まさに、テレビ向きだった。
そして、まさに、本書のタイトル通り、プロフェッショナルの5条件の本当の力を、身を持って表現してきたのは、ほかならぬ彼自身なのだと。