1422 ホイヘンス

定点観察

 この週末は雪が積もるという予報がはずれたものの、ずっと冷たい雨が降り続いていた。


もうこんな絵を見ただけで
しびれちゃうわけです

 金曜日の二番搾りでも書いたが、土星の衛星タイタンに小型探査機ホイヘンスが着陸し、日本時間で土曜日未明に最初の写真が送られてくるとインターネットのニュースサイトで知った。
 タイタンは厚い大気に覆われていて、地表がどうなっているのか謎だった。だから探査機の予想図(右)が、なんだか古いSF映画みたいなタッチになっている。地球からとんでもなく遠い世界が覗けるとと思うと、なんだか不思議とワクワクして、画像が送られてくるのをとても楽しみにしていた。
 昨日の朝、起きてすぐに日本のニュースサイトを探したがどこにも載っておらず、直接、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)とかアメリカ航空宇宙局(NASA)のインターネットサイトを見に行った。すると、期待通り、タイタンの画像が紹介されていた。上空から撮影された画像はあまりよくわからなかったが、地表の様子は何かの塊がごろごろと転がっていて、地球の砂漠か火星の地表にも似たような印象を受けた。なかなかいいところに降りたと思う。もし目の前が山みたいに視界が遮られてたらつまらないし(科学的にはそれでも意味があるのだろうけど)、海みたいなところに降りたとしてもおもしろくない(それはそれで見てみたい気もするけど)。それにもしそんな海みたいなところに「着水」したとすれば探査機が浮かんでいられるわずか数分間だけしか観測できないというのだから、運を天に任せるような話だ。今回、無事「着陸」したけれど、それでも30分程度しかバッテリーが持たないというのは、タイタンの地表付近はマイナス180度!と過酷な環境だからだろうか?
 しばらくしてから、新たな情報の公開があった。まずは地表のカラー写真(左)。昨日の白黒写真がカラーになったものだが、地球から見たタイタンと同じオレンジ色がかった世界だった。そして一番心を動かされたのが、ホイヘンスから送られたタイタンの「」だ。なるほどタイタンには大気があるから音が聞こえるのだ。これまで惑星探査の成果を、素人でも直接理解しやすいものといったら写真くらいしかなかった(あとは月の石くらい?)。それに「音」という新しい素材が加わったのだ。さっそく聞いてみる。うーん。とぎれとぎれになっている部分はあるが、まさに降りていく感じがする。こんなに離れたところから、よくちゃんと送ってくるものだと本当に感心する。(解説)
 もう観測は終わってしまっているだろうけれど、これからさまざまな写真やデータが公開されるだろう。ますます目が離せない。
 おじゃこと、この感動を共有したかったが、あまりわかってくれていないようで、少し悲しかった。

Posted by ろん