807 新聞記事の不思議

定点観察

桶川事件(・・・という名称が定着したみたい)の判決が出た。原告の一部勝訴という形ではあったけれど、原告にとっては、あまりに納得しがたい判決であったとして、控訴するということになった。この結果に、朝日新聞の社説では判決そのものに対する論評は避けたが、読売新聞の社説ではほぼ妥当な判決と評している。一般的な感情として、この事件の経緯を見ていると、どう考えても埼玉県警の怠慢がこの悲惨な結果を招いたとしか思えず、警察に多大な責任があるような気がするのだけど、裁判所はそうは見なかったようだし、読売新聞もどちらかといえば、警察に同情的な立場を取った(ように見える)。◆新聞社が報じるニュースには、その新聞社の個性や主張が、特徴的に表れる。これは言論の自由が保障された社会では、当然ではあるのだけれど、よく考えるとちょっと不思議に思える。新聞記事は、まず一人の人間が書いていくわけで、その書いた人間には、それぞれの主義や主張があるはずだし、その記事にもそういったことが表れて当然だろう。その結果、所属する新聞社の主義や主張と異なるケースもあるはずだ。でも、発行される新聞記事は、その新聞社色に染まったものが出てきている(ように見える)。もしかして、新聞社内で、言論統制でも行われているのかな?同じ考え方をする人たちが集まる(はずの)政党ならいざ知らず、同じ考え方ばかり持つ人たちが、同じ新聞社に集まっているとは思えないんだけど、どうなんだろう?

Posted by ろん