首都高速中央環状王子線
もうずいぶん前から工事が続けられていた近所の首都高速。外見上はどうも出来上がってるような感じがするけど、実際の工事の様子はまったくうかがい知ることができないから、ずっと気になっていた。
で、今年中にできるらしいということを何かで見聞きしていたから、近いうちに見学会が開かれるだろうと、期待していたら、板橋区の広報誌で見学会のお知らせを発見!2002年11月30日と12月1日に開催されるという。
開通前の高速道路のイベントに参加するのは今回が初めてなので、とても楽しみだった。
首都高速・中央環状王子線
首都高速中央環状線の一部。板橋JCT~江北JCT間7.1km。西側は高速5号池袋線、
東側は高速川口線と既存の高速中央環状線を接続。
2002年12月25日18時開通。
会場入口は滝野川入口付近の、非常口として使用される階段で、それは中山道(国道17号線)の中央分離帯にあった。
今日の公開時間を残すところ一時間を切ったというのに、行列ができていた。関心の高さをうかがわせる。
なかなか入らせてくれないのはなぜなんだろうと思っていたら、階段が狭いため、見学に行く人と、帰る人を、時間を区切って交互通行させているためだった。
数分待って、やっと入場。いつもは決して入れない場所に行けるというだけで、なんだかわくわくしてきた。
らせん階段をあがり、橋脚のところで二手にわかれ、さらに上段へ。下から見上げて見る感覚と比べて、はるかに高い。
当然エレベータのような施設はないから、おばあちゃんが上るのに大変そうだった。
公開終了時間まで、もう、あとわずかだったために、とりあえず行けるところまで行ってみようということにした。
というのは、今回の一般公開では、会場が3箇所にわかれていて、それぞれの間は、シャトルバスが走るという形になっていたので、公開終了の時間前にバスの運行が止まってしまうと、もうその会場にはいけなくなってしまうと考えたから。
となりの王子会場までは、わずか数分の道のり。さすがはやいぞ首都高速。すれ違う車は、シャトルバスだけ。
右下の写真は、ちょうど明治通りの上のあたりで、遠くに飛鳥山トンネルの入口が見えている。
バスから降りた王子会場は、飛鳥山トンネルの中だった。
江戸時代より桜の名所として知られる、飛鳥山のど真ん中を貫いているのだけど、当然、トンネルの中からは、その様子をうかがい知ることはできない。
桜の生育に影響はないのかな?しばらくトンネルの中を行く。
途中、工事に関するパネルやトンネル付近の模型など、時間があったらじっくり見たいものが並んでいたが、時間がないので、先を急ぐ。
トンネルを出た。(2003/8/24の補遺:ちょうどこの下が石神井川になっている)
写真(左)は、飛鳥山方向。逆光なので、あまりよく撮れてない。トンネルに入るときには、外回り車線と内回り車線が上下に配置されていたが、トンネルの出口では、外回り、内回りの両車線が並んでいた。
まだ反対側の外回り車線は、まだ建設中といった感じ。今回の一般公開のために、内回り車線を優先して仕上げたのかもしれない。
さらに五色桜大橋会場まで足を伸ばすことにする。またシャトルバスに乗る。
3つめの会場、五色桜大橋会場に到着。
やっと見晴らしのよいところに出てきた。
まず目に映ったのが、隅田川の流れ。高い建物がほとんどなく、すばらしい景色だ。
遠くに見える赤い筋は、首都高速川口線。
この会場の名前の由来となった、五色桜大橋。
この写真からはわからないけど、外回り車線と内回り車線が上下に配置され、このタイプの橋では、世界初の構造とのこと。
今回開通した王子線でもっとも特徴的な区間でもある。
河川敷だから当然なのだけど、かなり遠くまで見渡せる。
右の写真の、二段になっている道路が、すでに開通済みの首都高速中央環状線。
荒川もよく見える。
ただ、特徴的な建物があまりないのと、この地域に疎いというせいもあって、見晴らしがいいということしか言えない。
五色桜大橋会場で一番人気のコーナー?が、特設展望コーナーと呼ばれる"台"。
なんてことはない、木製の箱を組み合わせただけなのだが、確かに、これだけで十分に展望できるほどの場所だった。
こちらからの景色は、写真ではよく写らなかったが、遠くに「あらかわ遊園」らしき観覧車が見えたから、足立区と荒川区あたりが見えてるのだろう。
公開時間の午後3時を過ぎてしまい、早くバスに乗るように促される。
名残惜しいけれど、今日はこれでおしまい。板橋会場のウォーキングは、明日にしよう。
そして翌日。
今日は、昨日とうってかわって、あいにくの雨模様。
板橋会場では、パネルの展示や昨日の特設展望コーナーに加えて、高速道路保守用の特殊車両や、消防車なども集っていて、子供を運転席に乗せて、写真を撮るなどしていた。
今日は、昨日行けなかった、板橋会場のウォーキングコースに行ってみる。
ウォーキングコースは、1.2kmあり、首都高速5号池袋線に接続する部分まで行くことができるらしい。
いつもの見慣れた埼京線もこのアングルからだと新鮮に映る。遠くに、サンシャイン60が見える。
今回開通した区間でのインターチェンジ(出入口)は、王子北出入口と滝野川入口、新板橋出口の3箇所だが、滝野川と新板橋はそれぞれ入口と出口しかないので、あわせてひとつの出入口のような感じになっている。
ウォーキングコース内では、唯一滝野川入口だけ見ることができる。
いつもの見慣れた風景が、どこを見渡しても新鮮な感じに見えるから、ひとり興奮して、写真を撮りまくってしまった。
左上の写真は下板橋駅方向。春には道路の両脇にすばらしい桜を見ることができる。
右上の写真は十条方向。一番高い建物は最近できた、東京家政大学の校舎。
しばらく行くと、途中であきらめてしまうのか、それとも公開時間終了まで時間がなくなってきたせいか、人影がほとんどなくなってしまった。
旧中山道の仲宿方向を見る。
(残念ながらうまく撮れなかったけど)このあたりは、都営地下鉄三田線の新板橋と板橋区役所前のちょうど中間あたりで、駅からちょっと遠いのに、ここから商店街が始まってるのが不思議でならなかった。自分の常識では、商店街は駅から始まるものだとばかり思っていたし、特に新興住宅地では、駅からちょっとでも離れると、とたんに閑散としてしまうのがお決まりだったから、このなんでもない風景が、自分にとって新鮮だった。
すぐに、ここが旧中山道の一部で、板橋宿だったと知る。江戸時代から栄えていた場所だとすれば、駅なんて全然関係ないという事実に納得。
板橋JCT付近にやってきた。ウォーキングコースもそろそろ終点。右方向が高島平方面、左方向が池袋方面。
進むことのできるのは、左方向だけ。将来は、首都高速中央環状新宿線につながることになる。
折り返しの場所に着いたときには、公開終了時間である午後3時まであと5分だった。
そのせいもあるのだろう、見物客の姿がまったくなくなってしまい、公団職員の姿ばかりが目についた。
休日の今日のために出勤してくれているのだろうが、ずいぶん大勢いるなぁと、単純に思った。もしかして無駄に人が多い?
職員に追い立てられるようにして、来た道を戻っていく。
せっかくだから、やはり写真を撮りながら、少しずつ進む。
途中、展示してあった消防車とすれ違う。消防車は、滝野川入口を逆走する形で、中山道に下りていった。
身近な駅のひとつ、都営三田線新板橋駅を上空から見る。
見える景色は、想像通りで珍しくもないのだけれど、これまで見たことないというか、はじめて見たというだけなのに、なぜだか嬉しくなってしまった。
もちろん初めて見る人にしてみたらなんてことない写真なのだろうが。
終了時間をだいぶ過ぎてしまったが、こうして見学を終了。
相変わらずあわただしい見学になってしまったが、とても楽しかった。
これだけの景色をじっくり見ることは、もう二度とない。
通過する自動車だけのものになってしまうのは、なんだかとてももったいない気がしてしたが、そもそも通過する自動車のために作られたものなのだから、仕方がないのだけれど。
2002.11.30、2002.12.01