8150 座席予約?
お昼どき、混雑し始めたコンビニのイートインスペースに立ち寄った。
幸いなことに、ひとつだけ空席が見える。
「ありがたい」と足早に近づいたが、そのテーブルの上を見て一瞬、足が止まった。そこには、未使用の割り箸がポツンと一膳だけ置かれていたのだ。

おそらく、この一膳の箸があることで、周囲の人は「誰かが席を確保している」と判断し、座るのを遠慮し続けてきたのだろう。
こうした場で私物を置いて座席を確保する光景は珍しくない。
ハンカチや上着、カバン。時にはスマートフォンが置かれているのを見かけて驚くこともあるが、まさか「割り箸」で場所取りをするとは…。
頭では「ただの箸の置き忘れだろう」と分かっていても、そこに何らかの意志や、不可侵の領域を主張されているような不気味さを感じ、一瞬座るのをためらってしまった。
だが、冷静に考えれば、やはり割り箸一膳で席を占有するという道理はない。
意を決してその席に座り、そこにあった(あるいは置いてあった)割り箸を使って昼食を済ませた。
結局、それが意図的な場所取りだったのか、単なる忘れ物だったのかは分からずじまいだ。
しかし、見知らぬ他人の「場所取り」を成立させる境界線として、いったい何が「適切」なのだろうか。
そんなとりとめのない疑問が、食事のあいだじゅう、頭の片隅を離れなかった。