空中写真歴史図鑑/イーモン・マッケイブ 、ジェンマ・パドリー
- 空中写真歴史図鑑
- イーモン・マッケイブ、 ジェンマ・パドリー、月谷 真紀(翻訳)
- 原書房 (2020/7/18)
おそらく、この世に写真が登場した時から、空中からの写真を撮りたいと言う欲求は、当時の人々にきっとあったことだろうと思う。
世界で初めての空中写真は1858年、フランスのナダールが気球に乗ってパリ郊外を撮影したものだ。
520メートル上空からの写真は、撮影のために気球を安定させるには苦労したらしい。
そして、「現存する」世界最古の航空写真は、アメリカボストンの風景を捉えたジェームズ・ウォレス・ブラックによるもので1860年に撮影されている。
どちらも気球によるが、その後は凧を使うケースも出てくるそうだ。
ただシャッターを押すタイミングはどうしているのかというと、緩燃導火線を使っていたそう。
1906年カリフォルニア地震で被災したサンフランシスコの街並みをとらえた空中写真は、被害の状況を広く知らすことに貢献したはずだ。
1907年伝書鳩による撮影も行われたようだ。
タイマーで動作させるということだったが、いったいどんな仕組みだったのか?
そして時代は進み、1940年代中盤の多くが戦争に関わる写真ばかりになってくる。
広島に投下された原子爆弾のきのこ雲や爆心地付近の写真を紹介されていた。
教科書や何かしらの引用などでよく見る写真が次々と出てくる。
1963年のケネディ大統領暗殺の舞台となった場所を空撮したもの、1968年の月から見た地球の出…。
比較的最近では、2001年の同時多発テロのときのニューヨーク、2011年の東日本大震災など、空中写真でなければけっして伝わりきれない、人類史ともいえる写真を多数掲載されている。
報道的な切り口だけでなく、芸術的な美しさも兼ね備えた、空中写真を楽しむことができる。
図鑑と言うだけあって、巻末には索引をつけられている。
とても見応えがあった。
