7947 なんでも“政治のせい”にしてしまう短絡思考例
この記事のタイトルを見たとき、「あれ?」と思った。
「神宮前交差点に街路樹が1本もありません」暑すぎて死にそう…屋上緑化推進の都政「地上に木を植えて!」
記事を読むと冒頭には、こう書かれていた。
「『ハラカド』や『ラフォーレ原宿』のある神宮前交差点には、街路樹が1本もありません。暑すぎて信号待ちで死にそうになります。そんな建物の上を緑化しなくて良いので、地上に木を植えて下さい!」
ただ、街路樹といえば表参道にはあるはず…と思いつつ、記事の写真を見ると、表参道ではなく明治通りを写していた。
そこには確かに街路樹がない。
以前神宮前交差点を撮った写真と見比べると、掲載されている写真はかなり恣意的なことがわかる。
ちょっと視野を広げたら、しっかり街路樹はあるのだ。
しかし、交差点に街路樹を植えると、自動車からの視界を妨げる可能性がある。むしろ神宮前交差点に街路樹がないのは妥当な判断だろう。
加えて、街路樹の有無と屋上緑化は本来関係がないはずだ。
「地上に木を植えて」とは、具体的にどのような方法を想定しているのだろうか。
問題が起きるとすぐに政治の責任にする人は少なくない。それに同調する人も多い。
だが、こうした短絡的な思考は陰謀論とも親和性が高く、理屈が通じない議論を生みやすい。
その結果、世論が分断されることにもなりかねない。
もちろん、本人たちは真面目に考えているのだろう。しかしそれが「物事の解決」という本来もっとも大切な目的に結びつかないのでは意味がない。
今回の一件は、最近の世論形成の一端を象徴しているように思えた。

