こんな募金箱に寄付してはいけない/筑波 君枝

こんな募金箱に寄付してはいけない (青春新書インテリジェンス198) こんな募金箱に寄付してはいけない (青春新書インテリジェンス198)
筑波 君枝

青春出版社 2008-04-02
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東日本大震災のあと、あちこちで募金活動が活発に行われているのを見かけるようになった。しかし、なかには胡散臭いものもあり、実際事件として摘発されているケースもある。

それだけに、募金活動が気になっている人は少なくないだろう。

本書は、そんな募金に関する話題のほかに、副題にあるように「『ボランティア』にまつわるウソと真実」ということで、特にボランティアに関する話題が豊富に書かれている。

冒頭に書かれていた、ホワイトバンドの話は懐かしかった。

2005年に発売され、世界中でブームになった、あの白いゴム製のリストバンドである。その後、ブームは一気に去る。

原因は、これを買うことが、直接途上国の支援につながらないということが広まったからだった。

この活動は金銭の援助ではなく、あくまで政府に対する意思表示をするための活動であるということが、正しく理解されなかったということにある。

そもそも、多くの日本人にとって、金銭を寄付するということは、「そのまますべて支援に回らないといけない」という感覚があるような気がする。実は、僕も同じような気持ちはあった。

本書でも、この点は指摘していて…

NGOやNPOはボランティア団体だから、そこで働く人は、すべて無償のボランティアであるべきという固定観念があるのでしょう。(p.58)

しかし、実際には、何をするにしても、お金がかかるもの。

たとえば、災害時、瞬く間に集まるのが中古衣料品。

物を送るという支援を簡単に考えている人が多いという。

つまり、物が届いたら、分別、洗浄、仕分け、梱包、輸送、保管などなど…そして、それらに携わる人たちの手配などが必要となり、その分のお金が必要となる。このお金はいったいどこから出てくるのだろう? そして、これに携わる人たちは、どうやって生きていけばいいのだろう?

物を送るということは、そうした作業や問題が始まるきっかけなのだ。ここまで考えて物を送っている人はいるだろうか?

ほかにも、NGOや、NPOに関して、興味深い話も多かった。

緊急支援は初動が大切であり、何か災害が起きたら、どれだけ早く現地入りするかが鍵となるらしい。

それは、支援物資の確保やコーディネーターや通訳など現地スタッフの手配などが難しくなり、思うような動きがとれなくなってしまうからだそうだ。

つまりは、国連や各国NGOの陣取り合戦となるとのこと。なるほど、言われてみれば納得。

ほかにも、かつてシルバーシートと呼ばれた優先席に関する問題や、ブランドのエコバッグ、身障者に対するボランティア活動などの話も、学ぶべきことが多かった。

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