7609 一本足打法
先日、セブン&アイ・ホールディングスについて取り上げたとき、コンビニ事業に集中することに対して、ある言葉が目に留まった。
「一本足打法」
言わんとしていることはわかる。
でも、よく聞くこの言葉には、なんとなく違和感があるのだ。
これって、野球(王貞治で有名なバッティングフォーム)のことを指しているとすると、経済の話で、なぜ突然野球という違和感があった。
しかも、ひとつの事業に集中するということと、左右どちらかの軸足だけで立って打つ打法とは、意味が全然違うではないか。
Wikipediaでも、こうした経済的な表現では、一本足打法という意味にはまったく触れていない。
検索していたら、こんな興味深い記事を見つけた。
こちらの記事によれば、単一の事柄に頼ることを「一本足」と表現する表現は、昭和初期には登場していたようでて歴史は意外と古い。
そこに、大手総合化学メーカー帝人が、10年ちょっとのあいだに、ポリエステルを武器に売上高を10倍超にまで飛躍的に高めたことと、王貞治が一本足打法によって大記録を打ち立てたことが重なり、経済における”一本足打法”という表現が定着したのではないかというのだ。
なぜ、現在のようにネガティブな意味合いが強くなったのかについてはよく分からないが、この言葉にはこういった背景があると知ると、すごくおもしろい。