1747 横浜トリエンナーレ2005

よく見ると係の人の足が見える
よく見ると係の人の足が見える

 以前から行こうと思っていた「横浜トリエンナーレ2005」に行ってきた。
 トリエンナーレとは、イタリア語で「3年に一度の祭典」を意味するとのことだが、前回は2001年だったのに、なぜか4年目の今年開催…。

 会場の最寄り駅である、元町・中華街の改札内に、案内所があったが、まさかこの中に人が入っているとは思いもよらなかった(写真右)。

 案内所で、メインの会場とは反対側に位置する中華街にも、関連展示があるということを聞いたので行ってみる。最初場所がよく分からず、少し迷ったが、何とか到着。でもなぜか開いてなかった。よく見てみると見学は12時かららしい。なんだよ最初から言って欲しかったな。あと1時間以上も待つわけにも行かず、結局メインの会場に向かうことにした。

 天気は快晴だったが、もともとかなり寒い上に、風が強かったので、一層寒さが身にしみる。会場の入口に、海上コンテナが組み上げられた巨大な作品が展示されている。

全体テーマは「アートサーカス(日常からの跳躍)」。オフィシャルサイト実施概要によれば…

鑑賞者が単に展覧会を見るという従来的スタイルを脱し、見る側と見せる側の垣根を越え、アートの制作現場に立会い、作品を体験するダイアローグ的な展示を試みます。

 確かに普段は横に並ぶコンテナが縦に並ぶ様子は、日常では考えられない跳躍した光景と言える気がする。先日オークションで買ったチケットを出して、会場内へ。

 入口から実際の展示スペースとなっている山下埠頭の倉庫までは徒歩で行くか、シャトルバスで行くかの選択となる。それだけちょっとした距離があるわけだけど、その歩く道のり自体が「海辺の16,150の光彩」という作品になっている。入口の16,500枚もの旗が海風にたなびく光景は壮観だった(写真)。

 山下埠頭3号上屋(うわや)と4号上屋全体が会場になっていて、展示はその中。巨大な倉庫はほとんどオープンスペースみたいなもので、じっとしているとかなり身体が冷えてくる。

 先述の通り「見る側と見せる側の垣根を越え」という点で、これまでの展覧会とは一線を画す内容や展示、直接触れられる作品も多く、新鮮でとても興味深かった。けれど、会場内は写真撮影禁止で、そうした体験を画像として記録することが許されなかったのは、ちょっと残念。

 「天使探知機」もよかった。これは、十人程度が入れるブースの中でじっと静かにしたときだけに、部屋の中心に置かれた電球が光るという仕掛け。本当の沈黙が訪れたときに限って天使が舞い降りるとフランスでは考えられているらしい。今回展示している作品とは見た目は若干異なるけど、同じ作者による作品が載っているサイト(→こちら)を見つけた。
 ここで天使に下りてきてもらうためには、見ず知らずの人たちと協力して静かにしないといけないという点で、まさに作品を成立させるための共同作業が不可欠となる。なんだかとても面白い。
 部屋に出入りするだけでも音が出てしまうため、なかなか天使は下りてきてくれない。人の出入りが一瞬止まって、部屋の中の人たちが電球をじっと見つめてしばらくすると、ふっ…と明かりがともり始めた。みな顔がほころぶ。その次の瞬間、部屋の一人が誤って足音を立ててしまい消えてしまった。天使とは儚い存在ということを感覚的に意識することができて、とても満足だった。

 タニシKの作品も、かなり興味深い。フライトアテンダント(いわゆるスチュワーデス)の格好で、電車に乗り込み、乗客に話しかけながら、次々と飲み物などを配ってワゴンサービスをするパフォーマンスを見ることができる。展示そのものはパソコン3台が並んでいて、好きな路線を選ぶと、そのときの模様が再生されるようになっている。東急東横線、京浜急行~都営浅草~京成線、銀座線、大阪では御堂筋線などでもやったらしい。海外でも全く同じような体当たりのパフォーマンスは、ちょっと見ただけだけど、かなり楽しかった。
 この”ハプニング”に遭遇した乗客たちの年齢や性別、社会的立場はもちろん、地域、路線や国によっても、乗客たちの反応が違ってくるはずで、そうした微妙な雰囲気を見るためには、じっくり見てみたい。
 今回の展示における解説はあまり無いので、これまでに彼女が開いてきた個展などのサイトを紹介する(artscape武蔵野美術大学ギャラリートーク

 とにかく風が強かったために、何かやろうとしても写真の通り、なかなかうまくいかない。まぁこれもある種の芸術なのかもしれないけど。

 最終日一日前ということもあってか、たくさんの人たちが、「日常からの跳躍」を楽しんでいたようだ。ただできることならば、さっきも書いたけど、写真撮影をもっと認めて欲しい気がするし、各作品に関する解説ももう少しして欲しいと思う。500円で音声ガイドを借りたけれど、それだけではどうも足りなかった。主催する側としては、解説本を買って欲しいというところだろうが、ガイドを持って見に行くわけにもいかないわけで、実際の展示と合わせて作者の意向を知りたいと思ったのだけれど、どうだろうか?

2 thoughts on “1747 横浜トリエンナーレ2005

  1. なかなかユニークな企画ですね。
    たまたま最終日の日曜日に横浜へ行き、立ち寄った中華街で
    作品のひとつ(ヴィラ會芳亭)と出会うことができました。
    きっと、メイン会場はさらにおもしろかったんでしょうね…
    「天使探知機」、私も参加したかったです。

  2. ≫ がんちゃん
    がんちゃんは翌日、横浜に行かれたんですね。
    最初行こうとしたところが、まさにヴィラ會芳亭だったんですよ。
    それが12時からということだったので、断念したんです。
    おそらくがんちゃんも楽しめる内容だったと思いますよ。
    今回、トリエンナーレなのに4年目に行われましたが、次回は
    一体いつになるのやら…(笑)

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