星 晃、米山 淳一 (著)
JTB
1,050円(税込)
国鉄時代における多くの鉄道車両のデザインを手掛けた星晃氏と、彼の大ファンだという写真家との対談集。国鉄時代に作られた客車、電車、気動車は、彼のデザインによるものが多い。もう40年も50年も前に考えられたデザインが、今でも日本中に走っているという事実は、それだけ進んだ作品が多かったということなのだろう。鉄道車両デザイナーとしてのポリシーを知ると、鉄道車両の見方がちょっと変わってくるかも。判断に迷ったときには、結構趣味的に決めてしまうこともあったそうだ。計算し尽くし、登録し尽くされてできるものだと思っていたから、少し意外だった。
(2004/8/31) 【★★★☆☆】 −04/09/05更新
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羽根田 治/著
山と渓谷社
1,680円(税込)
気象の変化による山岳遭難事故7件の例を挙げ、その背景を探っている。事故のひとつひとつを見ていくと、あのときこうしていれば…という事実が数々と出てくる。そしてその多くが、遭難事故を予感させる前兆現象がわかっていながら、早めに決断できなかったばかりに、命を失うという大きな事故になっていっている。「勇気ある撤退」口で言うのは簡単だが、それがいかに難しいかが、この本を読んでいてよくわかる。それは山の初心者であろうと、ベテランであろうと共通の難しさのようだ。本書でも触れられているが、遭難現場で亡くなっている、もしくは死線をさまよっている人がいるのに、「力になれないから」とか「救助隊に任せた方がいい」と言って、その場を通り過ぎてしまう登山者たちが少なからず存在するという事実は、ちょっとショックだった。極限状態だと人間の本当の姿が浮き彫りになる…勇気ある撤退とともに考えさせられる話だ。
(2004/8/31) 【★★★★☆】 −04/09/05更新
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