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龍的書店

11月2004年12月1月
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2004年12月


はてなの本

田口 和裕・松永 英明・上ノ郷谷 太一/著
翔泳社

1,764円(税込)
 ずっと以前から「はてな」の存在だけは知っていたが、こうしてウエブログの広まりを見ると、「はてな」の先見性には驚かされる。ぼくが、たくさんのウエブログのある中から、はてなを選んだのは、自分の書き込んだ記事が勝手にリンクされていくという機能のおもしろさだった。自動的にリンクが作られることで、リンクやコメント、トラックバックを待つだけではなく、積極的に他の記事と連携できるところが大変気に入った。この本はレコードみたいに、A面とB面があって、A面は「はてな」の使い方や機能を解説したマニュアル、B面は「はてな」代表へのインタビューや様々な活用方法についての解説になっている。自動リンクの考え方に至る背景なども書かれて興味深い。もう200日近く?ダイアリーを利用しているが、ただ書き込むだけではもったいないと感じた。「はてな」を利用している人も、ずっと利用してきた人も、これから使ってみようという人も、ぜひ一度目を通す価値のある本だと思う。

(2004/12/01) 【★★★★☆】 −04/12/10更新


TOKYO KENCHIKU SAMPO   昭和30年代東京散歩
矢部 智子/編集
宮坂 恵津子/写真
ブルース・インターアクションズ

1,890円(税込)
 東京における代表的な建築物25を集めた本。本書で紹介された場所への地図や、知ってると便利な建築用語、紹介された建築家のプロフィールなどもあり、建築関係に興味を持ち始めた人の入門書としてもいいと思う。入門書としてもいいなと思う。たとえば歩き方なんていうのも、懇切に解説してくれていて…
 1 立ち止まってみる
 2 歩いてみる
 3 すいているときに行く
 4 写真にとってみる
 5 想像してみる
 6 何にも考えない
なるほど、言われてみるとどれもとても大事なこと。こんなことを留意して、これからは建築見物しに行ってみよう。
(2004/12/01) 【★★★★☆】 −04/12/14更新
  人文社/編
人文社
2,520円(税込)

 東京23区の昭和31年の地図と現在の地図を見開きで対比して、当時のさまざまなトピックスとともに紹介する本。もちろん昭和三十年代なんて生まれるずっと前だから、懐かしいなんていう感慨はわかないのだけど、この昭和三十年代は、今の東京を決定づけた時代のように思えてくる。東京タワーに新幹線、オリンピック、首都高速…と、ここで形作られた社会基盤が、今の東京を形作り、支えている。タイトル通り、昭和三十年代を地図上で散歩してみるのもおもしろい。

(2004/12/01) 【★★★★☆】 −04/12/14更新

ペット・アーキテクチャー・ガイドブック   エンパイア・ステート・ビル解体
東京工業大学建築学科塚本研究室・アトリエ・ワン/著
ワールドフォトプレス

1,600円(税込)
 街を歩いていると、よくこんなところに建物が建っているなぁ…と感心することがよくある。ほんのわずかな隙間に建つ建物は、小さくて狭いくせにやけに目立つのだからちょっと不思議。で、この本はそんな建物ばかりを集めた写真集。建物の形や奥の方はどうなっているんだろう…という疑問にも長さ入りの図面で答えてくれる(人間が入れないようなところの長さはどうやって測ったんだろう)。そんな建物ひとつひとつを見ていると、この建物を建てた人の思いが伝わってくるような気がする。この限られた敷地の中でどれだけのことができるのかという限界がわかる。
(2004/12/01) 【★★★★☆】 −04/12/14更新
  デビッド・マコーレイ/著
中江 昌彦/訳
河出書房新社

2,100円(税込)
 リアド国の皇太子が、大リアド石油連盟の新しい本部ビルとして、エンパイア・ステート・ビルを買い取り、アラビアの砂漠に移築しようという話。跡地にはエンパイア・ステート・ビルのてっぺんにあった飛行船用の塔をモニュメントとして残して残る土地は公園として無償提供するとともに、地下には新しいメトロポリタン美術館の別館を設けるとか、バスやタクシーに対しては石油を無償提供しましょうなんていう気前のいい皇太子の話に、なんとかこの無謀な計画を阻止しようとしたニューヨーク市民たちも、さすがに心が揺らぎ、結局は解体されてしまう。そして解体の過程を克明に追っていく…という、ちょっと変わった絵本。そして衝撃的な結末へ。アメリカを象徴するビルがなくなるという点では、アメリカの同時多発テロに通じるものがある。もちろんこちらの方が全く健全ではあるけれど。
冒頭の以下のコメントは意味深だ。

  失ってみて
  はじめて
  その大切さに気づく
  人たちへ

(2004/12/01) 【★★★★☆】 −04/12/14更新

東京現代建築ほめ殺し   記憶がウソをつく
建築三酔人/著
洋泉社

2,018円(税込)
 最近になって現代建築に興味を持って、いろいろ本を見ているのだけれど、どれも賞賛記事っぽいものばかり見かけるので、たまには批判的な立場で書かれた文章を読みたいと思っていたところで見つけた本。ちょっと専門的な感じで、初心者の僕には難しかったが、建築の世界における矛盾や奇妙な部分を垣間見ることができた気がする。この本を読んで感じたことは、東京の現代建築の抱える問題が、やはりバブルにその原因の一端があるということだ。あの地価高騰によって建物に掛かる費用が相対的に小さくなったことにより、コストばかりでなく建物に対する意識までも小さくなってしまったのではないか。そしてそれは建物に対して「何でもあり」という状況が生まれたのではないか。それは建物が周囲との調和をあまり意識せず、自分の建物の中だけで完結してしまうような結果に陥ってはいないか
…建築家の皆さんにも言い分はあるのだろうけどね。
(2004/12/18) 【★★★☆☆】 −04/12/14更新
  養老 孟司、古館 伊知郎/著
扶桑社

700円(税込)
 古館伊知郎と養老孟司の対談。きっかけはTBSテレビで放送された番組らしいが、その後の対談の模様をまとめて単行本にしたのが、フジテレビ系の扶桑社とはこれいかに。養老孟司著「バカの壁」がベストセラーになったことは記憶に新しいが、彼の話は、難しい脳の話をわかりやすく解説してくれるので、人気があるのはよくわかる。またそれに加えて、いかにたくさんの人が「脳」に対して、関心が高いかということである。さまざまな事例を挙げて、記憶の不思議を紹介しているが、その中でも「連想が次の連想を呼び覚ます」という話が紹介されているが、それも考えてみれば不思議なことだが、たとえて言えば、古い記憶の星座が点灯すると、その隣に位置する星座が輝きだし、次々の近くの星座が点灯していくようなものなのだというところは、なんとなくわかるような気がする。また、よく音楽には、絶対音感が必要だという話もあるが、本当は絶対音感の方がむしろ原始的ななのだという話。これは、メロディーを認識するということは、つまりパターンの認識であり、音の絶対の高さがどう変化したとしてもルールにのっとっていれば、きちんとメロディーと認識できるということは、高い能力があってこそらしい。おもしろいもんだね。
(2004/12/18) 【★★★☆☆】 −04/12/14更新