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2004年11月

なぜクジラは座礁するのか?−「反捕鯨」の悲劇

森下 丈二/著
河出書房新社

1,680円(税込)
 鯨の肉が給食に出ていたことを知る世代というのは、もう二十歳代半ば以降しかいないんじゃないだろうか?特段ものすごい美味しい…という感じはしなかったけど、最後に食べたときのことは、なぜか不思議と覚えていて「もう食べられなくなるかもしれないんだよね」なんて話した記憶がある。確か中学生だったような気がする(このあたりの記憶は曖昧なんだけど)さて、本書では、反捕鯨団体の主張に対する矛盾や、クジラの過剰な保護はクジラにとっても人間にとっても悲劇を生むということをわかりやすく紹介している。とかく自然保護団体のアピールはわかりやすく受け入れやすいので、何も無理して鯨を捕らなくても…なんていう漠然とした思いを抱かせてしまうが、捕鯨に関する対立にはもっと重要な意味があるということがよくわかる。一部の種類のクジラでは、過剰な保護により増加の一途をたどり、生態系が崩れかけてしまっているのに、反捕鯨諸国や団体は、それらに目をつぶっているというのだ。反捕鯨団体として名指しされているグリンピースの主張を見ても意見は真っ向から対立している。同じ質問内容でもどこかすれ違っている主張は、この問題の根の深さを実感させられる。ただひとつ言えることは、久しぶりに鯨を食べてみたくなったということだ。

(2004/11/01) 【★★★★☆】 −04/11/14更新


図説現代殺人事件史   人はなぜストーカーになるのか
福田 洋、石川 保昌/著
河出書房新社

1,680円(税込)
 殺人事件は発生したり容疑者が逮捕されたりするときには事細か伝えられるものの、その後の経過やその全体像を俯瞰する機会は滅多にない。また事件の名前はどこかで聞いたことがあるものの、その内容や背景などを知る機会もなかなかない。この本は、、事件を伝える当時の写真とともにその事件の全貌と時代背景などを、事件ごとに見開き一ページで紹介していくもので、とてもわかりやすい。当然のことだが殺人事件は残忍なものが少なくなく、どうしてここまでひどいことができるのだろう…と読んでいるうちに思わず背筋が凍るものもあった。こうした事件を振り返ることで、新たな悲劇を防ぐ手だてになれば…と思わずにはいられない。ちなみに本書刊行以降の裁判結果など補足し、99年以後の9事件が増補された増補改訂版があるらしい。(4309760139)
(2004/11/01) 【★★★★☆】 −04/11/14更新
  岩下 久美子/著
小学館
1,785円(税込)
 ストーカーという言葉が、”日本語”になったのは、いつくらいだっただろうか?本書にも書かれているが、この言葉が日本で認知されるようになった頃は、何でもかんでも「ストーカー」という言葉があふれ、まるで流行語のような使われ方をしていたように記憶している。ストーカーの被害にあった側と、ストーカーとなってしまった側の立場から、その具体的な行動や思いをたどることで、こういった問題がごくごく身近なところで起きる可能性があるのだと実感させられる。
1991年に放送された「101回目のプロポーズ」の武田鉄矢や、映画「卒業」の結婚式のその場に花嫁を略奪しに来るシーンなんてのも、一歩間違えればストーカー的思考で、「諦めずに追いかければ必ず思いは遂げられる」という誤った幻想を植え付けてしまったメディアの弊害は小さくない。ただこれは「本当に人の嫌がることはしない」という、基本的なモラルがあるという前提の上で成り立っているはずで、単純に自分のやりたいことであれば、他人に迷惑を掛けることは仕方がないということとは全く違うはずだ。「コミュニケーション能力の低下」「傷つきたくない症候群」「孤独恐怖」というキーワードがストーカーを語る上で重要らしい。「ストーカー」に関して、まずその全貌を知るには最適の本だと思う。
(2004/11/01) 【★★★★☆】 −04/11/14更新

自動改札のひみつ  
椎橋 章夫/著
交通研究協会

1,575円(税込)
 本書で挙げられているが、自動改札を野球に例えるとわかりやすい。出札が「ピッチャー」で改札が「キャッチャー」の役割で、「ボール」は乗車券。乗車券を発売する券売機がピッチャーで、自動改札がキャッチャー。ピッチャーとキャッチャーだけで野球ができないのと同じように、券売機と自動改札だけでは不十分。選手やベンチ、監督もいなければならない。何かひとつ欠かすことができないわけで、この本はタイトルは自動改札のひみつだけれど関連するシステムについても、詳しく教えてくれる。まぁ敵味方というわけではないが、野球で投げられるボールにさまざまな球種があるように、切符も様々だし、なかにはキセルという騙しもあって、システムを成り立たせるのは大変だ。毎日お世話になっている知ってるようで知らない自動改札の仕組みはもちろん、重要な役割のある券売機についても解説されている。あと自動改札と切っても切れない関係にある「キセル」も写真入りで紹介されている(煙草の!)のがなんだか笑える。
(2004/11/01) 【★★★★☆】 −04/11/14更新
 

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