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2月>2004年3月4月
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2004年3月

日本航空事故処理担当 

cover山本 善明/著
講談社
924円(税込)
 まさにタイトル通り、著者は日本航空の”数多くの”事故処理を担当してきたプロフェッショナルで、内部でしかわかり得ないようなことをわかりやすく教えてくれる。興味深かったのは、安全対策というものの抱える矛盾について指摘したところ。
 元来、安全対策というものは業務の質を改善でなければならないのに、質は外部からは見えないので、安全対策とは評価されない。そこでマスコミや世間一般が納得する形での安全対策のための安全対策を取りがち…というものだ。確かに、反省に基づく対策だといっても、結局何の役にも立たない姿勢を示すだけのパフォーマンスなんてことはよくある。
 また、本書後半の統合失調症(かつての精神分裂病)だった機長の操縦するジェット機が羽田沖に墜落した事故は、当時「逆噴射」という言葉とともに社会に衝撃を与えたが、事故に至る経緯をこと細かく書かれていて、事故の背景というものを考えさせられた。
 そして、本書中にハインリッヒの法則の引用(1件の重い障害を伴う災害の背景には、29件の軽い傷害を伴う災害があり、そらにその背後に300件の傷害を伴わない災害が発生している)は、読み終わった直後に起こった、六本木ヒルズの回転ドアの事故のケースで数字がほとんど合致していたこともあったことから、非常に恐ろしく感じた。安全対策担当の人はもちろん、経営者や管理者の人にも読んでもらいたい。(2004/3/31) 【★★★★★】 −04/04/04更新


「テロリスト」がアメリカを憎む理由 
cover芝生 瑞和/著
毎日新聞社
1,401円(税込)
 燃え上がり崩落する寸前のワールドトレードセンタービルが表紙で目をひく。タイトルでテロリストに「」がついていることが、本書では重要な意味を持っている。「テロ」や「テロリスト」という言葉は、立場や使われる状況によって大きく異なる意味を持ち、公平であるべきジャーナリストが安易に使うべきではないという考えに基づく。ただ言い換えるのも適切ではないので「いわゆる」という意味で「」がつけられている。
 イスラエルとパレスチナの問題は、日本においてはなかなか理解されにくい。学校の授業ではほとんど触れられることはなく、日常生活においても直接影響を受ける話ではないからだろう。しかし、9.11、イラクへの自衛隊派遣、先日起こったスペインの列車爆破…というニュースは、イスラエルとパレスチナの問題は、我々の生活とは全く無縁でないことを思い知られる。本書は少々難解な問題を、著者の経験も交えながら、比較的わかりやすく解説している。中学生には難しいとしても高校生や、せめて大学生くらいには、この本を読んで、具体的な解決方法とまではいかないまでも、せめて日本がどうあるべきか、どうありたいかということを考える機会にして欲しい。(2004/3/31) 【★★★★☆】 −04/04/04更新

キハ58物語   駅名の謎
石井 幸孝/著
JTB
1,785円(税込)
日本中を駆けめぐってきた、「キハ58」について、その登場から現在に至るまでを詳しく解説。地方の国鉄(JR)を利用したら、必ずと言っていいほど乗る機会のあったであろうディーゼルカーだった。おそらくこのカラーリングはきっと誰もが見たことのあると思う。まさにキングオブディーゼルカーだ。現在は電化が進み、さらに新しいディーゼルカーの登場で、なかなかその活躍を見ることはできなくなってしまったが、本書で懐かしい風景に出会える。また、久しぶりに乗りたくなってきた。(2004/3/31) 【★★★☆☆】 −04/04/04更新
 

所沢 秀樹/著
山海堂
1,470円(税込)
一般的な土地の名前はすでにその土地の名前が付けられる必然性があり市制などを除けば、名付けられる名前の必然性があるし、現在では公募することも多く、名前が付けられる経緯は明白だ。しかし駅名は多くは鉄道の運営者が諸条件を考慮の上決められてしまい、あまり名付けられた背景が語られることは多くないように思う。本書はそうした駅名にまつわるいろいろな話をまとめたユニークな本。命名の法則を分析したり、同じ日本でも東と西では名付けられる名前に大きな違いがあるなど、興味深い話がまとめられている。鉄道ファンならずとも楽しめるかもしれない。(2004/3/31) 【★★☆☆☆】 −04/04/04更新


戦後日本の鉄道車両  

塚本 雅啓/著
グランプリ出版
2,100円(税込)
終戦後の混乱から立ち直り、高度経済成長を経て、オイルショックに省エネ…と環境は大きく変化してきた。人や物の流れを支える鉄道車両もそうした環境と無縁であるはずはなく、社会の要請に応じた進化を遂げてきた。機関車、旅客車(電車、新幹線、気動車など)、貨車といったパートに分かれ、代表的な車両の登場の経緯や特徴、メカニズムなどを紹介。それぞれがとてもバラエティに富んでいるのが楽しい。この本を読んでから東京の交通博物館や大阪の交通科学館に行くとさらに楽しめるかもしれない。(2004/3/31) 【★★★☆☆】 −04/04/04更新

 
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