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あちこちで市内の工事をしているが、道路や歩道も例外ではなく、至るところで掘り返されている。 しかしその作業は、かなり乱暴で、工事の途中でも、安全対策や交通整理などをするような係員はおらず、工事箇所との境目も、ほとんど目立たない柵がいくつか立っている程度だ。 目が不自由であったり、車椅子で移動される方にとっては、どうしようもない場所ばかりだ。日本でもほんのちょっと前まで、まだバリアフリーなんて言葉がなかった頃は、同じような状況だったかもしれないけれど、急激な発展を遂げている上海でも、まだまだこういったところは追いついていないのだということを感じずにはいられなかった。
外国でタクシーに乗るというのは、慣れない言葉の壁もあってちょっと敷居が高い。 もちろん、今回初めて訪れた上海でも同じように思っていたが、まだ地下鉄が建設中の区間が多く、見どころも市内に分散しているため、好むと好まざるにかかわらず、タクシーは乗らないわけにはいかなかった。 ただ実際に乗ってみると、実に快適であることがよくわかった。 まず、その圧倒的な安さには驚く。初乗り11元(=約170円)!これで3kmは行ける。ふたりで乗ったら、一人あたり100円にもならない。 一番気にしていた言葉の問題も、紙に書いた行き先を運転手に見せればそれでOK。ぼったくりとか遠回りをして不当に運賃を要求するとかなんてことは皆無。ほんのちょっとの移動でも、タクシーを使いたくなってくる。 上海では乗客ひとりの場合、習慣として助手席に乗ることが多いようだ。最初ちょっと不思議に思えたのだけれど、これはタクシーの車内の構造が日本と違うせいかもしれない。上海のタクシーは、運転手座席との間に、アクリルかプラスチックの仕切りがある。そのため、後部座席より助手席に座る方が行き先の指示や料金の支払いなどで便利。だから助手席に座る習慣がついたのではないか…と想像するのだがどうだろう? 運転手が★で格付けされているタクシーもあったり、助手席の後ろに広告用の液晶モニターがついていたりと、先進的な取り組みも見られて興味深い。広告用の液晶モニターは、通常は広告が次々と流されているが、見たい広告があれば、画面上のアイコンをタッチして選択できるようになっている。音も出るようになっているが、消すこともできる。 ただタクシーも良いことばかりではなく、時間帯によって空車がかなり少ないのは困った。しかも、夜になると、日本のような車体の天井に空車を示すランプがついていないために、車の中をよく見ないと空車かどうかよくわからないのだ。
おそらく中国地元のコンビニ?はもちろん、日本のローソンやファミリーマートなど、市内には数多くのコンビニエンスストアがある。 日本のコンビニを見ると、ちょっと安心する。 店の中に入ると、まず扉を入ったときの、チャイム?電子音が日本と同じだった。 商品の配置はもちろん、売っている商品自体も日本と同じようなものばかりなので、大げさでもなんでもなく、一瞬日本にいるような錯覚を覚える。極めつけは、おでん。どうも上海でも人気商品のひとつらしい。詳しく見るのを忘れてしまったが、手前の調味料が辛そうな感じで、中国“らしさ”を感じる。 店内はコンソメみたいな香りが漂っていた。
中国では車は右側通行。だから、道路を渡るとき、車がどちらから来るか、間違えてしまうことがある。 日本では横断歩道に信号があれば、車が来ることをあまり意識しなくても渡ることが多いが、ここ上海では違う。まず大前提として、車は信号の表示にかかわらず右折が可能。つまり青信号で横断歩道を渡ろうとするとき、交差する側は当然赤なのに、普通に車が走ってくる。道路を半分渡っても、今度は右折して向かってくる車があるから、やはり危ない。 歩行者は、意外と信号を守っている人も多い気がしたが、場所によっては赤信号でもセンターラインあたりまで歩いてきてしまう場合も少なくなかった。歩行者用信号が青から赤に変わる前、残りの青の時間がデジタルの数字が表示され、歩行者に早く渡るよう促す。 このデジタル表示は自動車用もあって、残りの赤の時間なども表示されている。F1のような自動車レースのように、0になった瞬間、一斉にスタートダッシュしてしまって、むしろ危ないんじゃないかという気もしなくもない。 いずれにしても、信号の表示に関わらず右折は自由なので、交差点では人と車が錯綜していた。それでも事故らしい事故はほとんど見かけなかった。 クラクションはあちらこちらから聞こえてくる。日本のように軽く知らせる程度ではなくかなり長い時間。鳴らされる方も慣れているせいか慌てるふうでもない。当たり前のように聞き流している感じだった。
広い通りで、ふと空を見上げてみると、低い建物の向こうに超高層ビルがぼやっと見える。道路が広い分、空も広く見える。 さらにもうちょっと狭い通りになると、空中を縦横無尽に張り巡らされた電線が目にはいる。 電力線や通信線といった日本と同じようなケーブルに加えて、日本ではごくごく一部でしか見られないトロリーバスの架線で、“電線だらけ”といった様相になっている。 あまりにたくさん張り巡らされている電線…どの電線も、ちゃんと意味のあるものばかりなのか気になるが、よくよく見たら、切れて垂れ下がっている電線もあって、ますます気になる。
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