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交通〜航空

YS−11

 きっかけ


 図書館が自宅の近くにあることもあり、本を読む機会は、ちょっと多いかも知れない。
 いつものように、手に取った本の中で、一冊の本に出会ったことから始まった。


プロジェクトX 挑戦者たち〈3〉翼よ、よみがえれ

(NHK「プロジェクトX」制作班 日本放送出版協会)

 プロジェクトXは、NHKのテレビ番組だが、放送時間帯から、なかなか見るチャンスはなく、こうしてよくこのシリーズの本を見ていた。その中で目に留まったのは、「翼はよみがえった―YS‐11、日本初の国産旅客機」という章。
 唯一の本格的国産旅客機の話は、聞いたことがあるけれど、この旅客機にこれだけの情熱をかけた人たちがいるんだと、感動したのがきっかけだったかもしれない。


 YS−11とは?

製造メーカー 日本航空機製造株式会社(NAMC)

略年表

1956年 通産省(当時)より、
      「中型輸送機の国産化計画構想」発表
1957年 財団法人輸送機設計研究協会設立
1959年 日本航空機製造株式会社設立
1962年 YS-11試作機初飛行(8月30日)
1965年 YS-11初就航(4月1日)
1970年 製造終了
1972年 日本航空機製造株式会社解散<>
総製造機数 182機(旅客用、貨物用)

 そもそもYS-11について簡単に触れておくと、わが国初の本格的国産旅客機として、1962年に試作機が初飛行。1965年からは一般の乗客を乗せ、現在に至るまで、30年以上も日本の空はもちろん、一部は世界の空にも進出し飛び続けている。”YS”とは、年表にあるように”輸送機設計”の頭文字を取ったものとされている。
 製造元である半官半民の特殊法人「日本航空機製造」(日航製)は、その後旅客機販売のノウハウを持たない素人集団ということもあり、経営に行き詰まり、のちに「技術的には成功したが、経営的には失敗した」という烙印を押されることとなる。巨額の赤字を抱え、日航製は解散させられてしまう。
 しかし、現在でも世界中で80機以上も飛んでいる事実は、いかにYS-11の性能がすばらしいものであったかを物語っている。歴史にもしもは禁物だけど、もしも、後継機が作られ続けたとすれば、航空機産業は日本を代表する産業のひとつに育っていたかも知れない。

最後の国産旅客機YS‐11の悲劇

(前間孝則 講談社)
 「技術的には成功したが、経営的には失敗した」という一言で片付けられてしまうことの多い、このプロジェクトの、より現場に近い声がまとめられている。現場・・・つまり、技術的に成功した部分にも多くの光を当て、いかに現場に鍛え上げられ、育てられてきた飛行機であるかを垣間見ることができる。
日本全国 レトロな乗り物の旅

(三澤春彦 光人社)
 本書でも、一番最後の章でYS-11が紹介されている。著者は日本エアシステム(当時は、東亜国内航空)に勤務していて、YS-11とのかかわりもあったようで、分量はわずかだけれど、興味深い話が掲載されている。


似てる

YS-11はどこか新幹線0系と似ている。
おりしもYS-11が初飛行した1962年は、ちょうど東海道新幹線の試作車も走り始めた年でもある。
そして、そのいずれも、退役が近づいているのも、そっくり。

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2003/4