杉浦一機/著
光文社
756円(税込)
飛行機は墜ちない方がいいに決まっているし、実際1996年以降墜落事故はないが、毎年何らかの事故が起き続けている。それはさまざまな理由はあるが、事故が起きやすい機体や航空会社の傾向は少なからずあるようだ。また国の規制が緩和される方向にある中で、安全対策がおざなりになっているのではないかという指摘も見逃せない。確率的には自動車と比べたら圧倒的に安全な乗り物だし、大勢の乗客が行き交う日本とアメリカを結ぶ太平洋路線に至っては、乗客死亡事故0が続いてる。それくらい危険性は低いものの、ひとたび事故が起きた場合の被害の大きさは、自動車とは比べものにならないという点で、さらに事故の起きる可能性を低くしていく努力は惜しんではならない。事故の事例を挙げながら、今後の安全対策を考えていく。まぁ僕が一緒になって考えていく必要はないのだけれど、なかなか興味深い話ではある。 (2004/9/11) 【★★★★☆】 −04/09/11更新
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坂崎 充/著
イカロス出版
756円(税込)
長らくYS−11の操縦に従事してきた著者の半生を描くドキュメント。タイトルはYS−11とあるが、一章分をさいて、フェリーという仕事についても詳細が書かれている。フェリーという仕事は飛行機を使用する航空会社まで運ぶ仕事のことで、当然乗客はいないが、通常では有り得ない飛び方(日本国内の都市間程度の距離しか飛べない仕様なのに、アメリカまで運ぶ)をするための工夫など、知られざる世界を覗くことができる。
全体的な堅苦しい内容ではなく、あくまでYS−11と苦楽をともにしてきた機長の同志”YS−11”に対する思いを綴ったといった感じの本なので、YS−11の商業的、技術的な面についての考察はほとんど書かれていない。その分気軽に読める本とも言える。思い入れのある同志を持てるというのは幸せだ。
(2004/9/11) 【★★★★☆】 −04/09/11更新
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