江守一郎/著
朝日新聞社
588円(税込)
700件近い交通事故の鑑定を行ってきた第一人者のドキュメンタリー。事件に関係した人のほんのわずかなきっかけから、現場に残された証拠を元に、次々と真実が明らかになっていく。物理的な見地からの考察などもあるので、若干難しい部分もあるけれど、丁寧に書かれているので、この手の本にしてはわかりやすい。ただ、あまりにあり得そうな事故の数々に、改めて交通事故は気をつけようと思った。また、本当にここに紹介されているような事件は実は氷山の一角で、多くの事故は見過ごされているのではないかと不安になってくる。現在は文庫本となっているようで、実際に図書館から借りて読んだのは単行本でこちらはおそらく絶版。読み始めたのが返却期限が過ぎていたときだったので、あわてて読まざるをえなかったのが悔やまれる。(2004/5/8)
【★★★☆☆】 −04/05/08更新
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常石 敬一/著
PHPエディターズグループ
1,418円(税込)
新選組のファンは少なくないから、このあたりの時代については知られていることは多いと思うが、僕はあまり詳しくないので、この本で文字通り目からウロコの話をたくさん読ませてもらった。「日本はアメリカに不平等条約を押しつけられた」と学校で習ったが、その背景を知ると、押しつけられたとは言い難い面もあることがわかる。徳川慶喜がいとも簡単に政権を手放し大政奉還を行った背景には慶喜の誤算があったからではないかとか、旧幕府軍により、箱館(函館)を本拠地として樹立された新政権の閣僚の中に、ペリー来航の際幕府代表として応対した人物が含まれていたなんていうのも、歴史の皮肉というか運命というか不思議なものを感じずにはいられない。学校で習った”常識”を変える話がいっぱい。
(2004/5/8) 【★★★☆☆】 −04/05/08更新
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