定点観察

3月2004年4月5月
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2004年4月


29日
木曜日
晴れ



30日
金曜日
晴れ

再び箱根へ

 なぜか箱根は、近郊の観光地の中で何度も行く機会が多い。今回もこれまで行ったことのないところを中心に見て回ることにした。
 まずは箱根登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェーを乗り継いで、大涌谷へ。ここから見る富士山はとてもきれいだった。ただ、自然研究路の多くが閉鎖、自然科学館も去年のうちに閉鎖されていたこともあり、ちょっと残念な結果になってしまった。
 芦ノ湖での手漕ぎボート、箱根ビジターセンター、海賊船で芦ノ湖を渡り、恩賜箱根公園、箱根芦ノ湖美術館、天山(立ち寄り湯)などを訪れる。
 翌日は仙石原の湿生花園に行く。比較的朝早かったこともあってか、観光客もあまり多くなくて、ゆっくり見て回ることができた。湿原を復元している区域では、開放感あふれる風景がすばらしかった。
 今回の箱根の旅は、残念なことも多かったけれど、これまであまり見る機会がなかった一面をたくさん見られたような気がする。詳細な模様についてはこちら

24日
土曜日
晴れ

今日歩いたルート(拡大)

なぜか新選組ゆかりの地を歩く

 別に新選組に特別な感情を抱いているわけではなく、JR東日本が主催する「駅からハイキング」というイベントが、すぐ近所の駅から出発するというというのが、今回参加した一番の理由。板橋駅から、新選組のゆかりの地を辿りながら、ゴールの江戸東京博物館(両国駅)までの約13kmの道のりを歩く。
 出発は板橋駅から。意外と多くの人たちで賑わっていてびっくりした。
 受付で、事前に登録した会員番号を告げると、黄色いリボンとゴールまでの道のりの地図が手渡される。
 さっそく旧中山道沿いの商店街を歩き始める。いつもの週末だと人通りもそんなに多くないが、今日は同じ方向を歩く人の群れができていて、事情を知らない人が見たら、ちょっと不思議な光景になっていた。最初のポイントは、「近藤勇の墓」。墓の横には近藤勇の像も建っている。翌週に新選組まつりを控え、付近にのぼりなども立って盛り上がっている。ここは板橋駅東口だが所在地は北区滝野川。そのせいか、反対側の西口(板橋区側)では、新選組に関する盛り上がりはほとんどない。ここも、いつもならば、ひっそりしているところだが、今日はひっきりなしに人がやってくる。
 引き続き、旧中山道を歩いていく。
 都電荒川線の踏切を越え、さらに先に進むと、高岩寺に着く。この寺の名前だけを聞いて、何の寺だかわかったら、ちょっとすごいかも。「とげ抜き地蔵」というのは聞いたことがあると思うが、この高岩寺は、その「とげ抜き地蔵」のある寺なのだ。病気や具合の悪いところを洗うと効き目があるという「洗い観音」はあまりにも有名だ。で、今日まで誤解していたのだが、その「洗い観音」が、「とげ抜き地蔵」そのものだと思っていたら、「とげ抜き地蔵」は、高岩寺のご本尊であって、日々洗われているのではないのだ。 渡された地図によると、とげ抜き地蔵から先は、「カイザースラウテルン広場」「傳通院」を通るよう指示されているが、前者は特に新選組とは関係なく、後者は新選組の前身である「浪士組」が結成された場所らしい。ただ傳通院は、今年初めに行ったばかりなので、通過することにした。
  ひときわ高い建物が、文京シビックセンター…文京区役所。せっかくなので、25階の展望台にのぼってみる。今日はいい天気で、はるか筑波山まで見えた。眼下には、これから向かう「小石川後楽園」が見えた。水戸徳川家の江戸上屋敷だったところだそうだが、直接新選組とは関係ないようだ。後楽園ゆうえんち方面は何度も来たことがあるが、その隣の、小石川後楽園は初めて訪れた。池の鯉がやたらと元気だったのと、木々の隙間から巨大な東京ドームの白い姿が印象的だった。
 神田川沿いの外堀通りを歩く。中央線、総武線も沿って走っている。高校生のころ、お茶の水から秋葉原にかけてのこの道はよく歩いた。秋葉原駅を利用するより、お茶の水駅から歩いた方が安上がりだったからだ。ただ、なぜかそのときの歩いた思い出って、なんにもなくて、今日の風景もやたら新鮮に思えたのはちょっと不思議。
 秋葉原界隈を歩くのもかなり久しぶり。中央通り沿いは、やたらと”同人系”のキャラクターばかりが目についたし、T-ZONE(パソコンショップ)はなくなっているし、ヤマギワも火事を起こして閉鎖中だし、少し寂しい思いがした。
 秋葉原駅付近を過ぎ、蔵前あたりを過ぎたあたりで、さらに先を急ぐ。さすがにこのあたりまで来ると疲れてきて、おじゃことの会話はとぎれがちになる。
 そしてついに、目的地の江戸東京博物館に到着。9時ちょっと過ぎに出発して、14時ちょっと過ぎに着いたということで、約5時間かけて、だいたい13kmの道のりを歩いたことになる。ゴールの受付で、黄色いリボンを手渡すと、バッチが粗品としてもらえる。251系スーパービュー踊り子号のバッチだった。おそらくイベントごとに違ったバッチがもらえるのだろう。そういえば、参加者の中に背負っているリュックサックにたくさんのバッチがついていた人がいたっけ。でも、13kmも歩いてプレゼントはこれだけ?…という気がまったくしないわけではないけれど、あくまでハイキングだし、誰からも強制されたわけではないわけだし、歩いたことが楽しめればそれでよしとしなければなるまい。
 せっかく来たのだから…と江戸東京博物館の常設店を見学。でも途中ベンチに座ったら、眠くなって20〜30分も寝てしまった…。以前も来たことがあるはずだけれど、こんなに広かったかな?結局17時の閉館時間までいたもののすべてを見られなかった。やはり途中寝たのがいけなかったのか…

17日
土曜日
晴れ

オノ・ヨーコって…

 ジョンレノンの嫁だという程度の認識しかなかったのだけれど、東京都現代美術館で今日から始まった「YES オノ・ヨーコ」展で、もともと前衛的な芸術家だったということを初めて知った。ジョンレノンと出会いさらに彼女の生み出す芸術に磨きが掛かったのだろう。今回このような彼女の芸術について体系的に紹介する展覧会は、我が国では初めてなのだそうで、知らなかった人も多いのではないだろうか。まぁ、自分より若い人たちは、彼女自身も知らないのかもしれないけれど。
 ”前衛的な”芸術家の作品なので、じっくり考えさせられるような作品ばかりだ。正直、どう考えてもよくわからない作品もあった。本人に解説してもらえたら、よくわかるのにな…などと思っていたら、作品のひとつに、彼女からの着信専用電話というのもあった。オノ・ヨーコが不定期的に電話を掛けてくる作品なのだという。で、ほんとに掛かってきたら、何を話していいか困ってしまうだろうな。

11日
日曜日
晴れ

目黒と言えば…

 やっぱり、サンマ…と思い出す人は少なくないだろう。タカ狩りをした殿様が、百姓の家でご馳走になった目黒でサンマを食べて大満足。城でも食べたいと思って家来に頼むと、健康を気遣った家来たちが脂を抜いて差し出したところ、「これはうまくない、やはりサンマは目黒に限る」という落語。(目黒の位置を知らない方へ…目黒には海はなく、知ったかぶりをした殿様を風刺した話)

名物 サナダムシ

標本の数々

着るには勇気が…

 話はかなりずれてしまった。現在、目黒にしかなく、目黒ならではといえば、「目黒寄生虫館」は、そのひとつではないだろうか。世界的にも珍しいらしい。以前から一度行ってみたかったところ。滅多にお目にかかれない寄生虫の標本の数々、生々しい症例写真、そして滅多にお目にかかれない寄生虫グッズなども手にはいる。圧巻は、全長8.8メートルの日本海裂頭条虫(サナダムシ)の標本。その長さを実感できるよう、それと同じ長さの紐が用意されている。それにして、このサナダムシ、実際に人のお腹の中にいたものを捕獲されたらしい。しかも本人は自覚症状がなかったというのだから、一層恐ろしい。サナダムシをあしらった、Tシャツは、サナダムシの本体部分が浮き出るようになっていて、一層リアル感が増している。

 続いて訪れたのは、この目黒の地名の元になった、目黒不動尊。江戸五色不動のひとつ。これまで目青(三軒茶屋)、目黄(三ノ輪)、目白(当然目白)と行ったので、残るは、目赤(本駒込)のみとなった。目赤の状況はよくわからないけれど、他の不動尊に比べてもっとも立派な境内と建物のような気がする。境内のベンチに腰を下ろして休憩していたら、たくさんの人がお参りに訪れていた。

 さらに足をのばして、林試の森公園に行く。元の林業試験場で、略して林試とのこと。この付近では最も広い公園のようで、デイキャンプをする家族連れなども見かけられた。今日は天気の良さのためか、かなりの人たちが思い思いの時間を過ごしていた。
 昨日に引き続き歩いたので、ずいぶんくたびれてしまったが、どこも初めて訪れるところばかりだったので、楽しく過ごすことができた。

10日
土曜日
晴れ

初物づくし

 今日はとてもよい天気。出掛けるには絶好の機会…ということで、ちょっと出歩いてみることになった。まず定期券のある大手町まで行って、そこから歩いて東京駅、銀座を経て、築地本願寺へ。一般的なお寺の概念を覆すような外観には、以前から一度行ってみたかったお寺だった。古代インド洋式という外観とはうってかわって、内部はごく普通のお寺(とは言っても、かなり広い)だった。翌日にイベントを控え、建物の前は、いくつかのテントが立てられ、たくさんの人たちが集まっていたが、本堂の方はとても静かで荘厳な感じだった。
  
 次に向かったのは、聖路加ガーデン、聖路加タワー。こちらも以前から何度も見かけたが、機会がなく、やはり今回初めて行ってみた。意外なほど人がいなくて静かだ。早速、展望台にあがってみる。エレベータで46階へ。扉が開くと、そこは薄暗いホールだった。ここから展望台に行けるのか不安になる。どうやら展望台のある47階へは階段でしか行けないらしい。非常階段のような狭い階段を上がって、やっと展望台へ。想像よりかなり狭く、見られる方向も限られている。無料だから仕方がないか。隅田川や勝鬨橋がよく見えた。
 

 隅田川岸に出て昼食。今日は本当にあたたかく、ちょっと歩くと汗ばむくらいだった。少し吹く風が心地よい。こんな時は外で食べるに限る。行き交う船の数は相変わらず多い。水上バスは超満員。これじゃのんびりしていられないんじゃないかと、よけいな心配をする。
 
 だいぶ歩いて疲れてきた。最後に訪れたのは、先月末にオープンしたばかりの、コレド日本橋。元の東急百貨店日本橋店で、東急百貨店時代を含めても初めての訪問。ここは、とにかく、ものすごい人に圧倒された。通勤ラッシュかお祭りか…という感じで、なんでこんなに人がいるのか、一体この人たちは何しているんだろう…というくらいの人出。テナントは4階までしかなく、最近登場した再開発施設の中では、比較的小規模で、店の数や種類も限られている中でのこの混雑ぶりに、みんな新しもの好きなんだな…と実感。まぁ自分もそうなんだけれど…。ただ最近登場するこの手のテナントがだんだん似たり寄ったりになってきてる感は否めない。今後どんな個性が出せるのかに注目したい。
 結局、今日は意図せずして、どこも初めて行くところばかりで、新鮮な一日だった。くたびれたけれど。
 

 番外編 「止められた扉」
 丸ビルをはじめ、至るところのビルで、回転ドアの使用が停止されていた。もちろん先日の事故を受けての措置だろうけれど、もしかすると、もう回転ドアは消えてしまう運命にあるのだろうか…?

4日
日曜日
曇り時々雨

桜散る日曜日

 昨日の天気とはうってかわって、朝から冷たい雨の降る日曜日となった。桜が満開の遊歩道には、人影はほとんど見られず、しずかに桜の花びらが舞っていた。こんな日でも桜を眺めるのは悪くないけれど、ものすごく寒くて、この写真を撮ったあとはすぐに帰ってきてしまった。
 今日は久しぶりに図書館で今週読む本を借りてきた。また、先月までに読んだ本を「龍的書店」にまとめてみた。

 今日は天気が悪かったせいか、最近いろいろ悩むことが多いせいか、あまり気分もちょっとどんよりした一日だったような気がする。気のせいかもしれないけど。

3日
土曜日
晴れ
今日の写真はクリックすると拡大します


かっぱ?…

かっぱ橋道具街に行ってみた

 東京の桜はすっかり満開になった。自宅の近所の桜も十分見応えがあるが、今日は桜の名所として有名な隅田川に行ってみることにした。上野駅かから浅草方面に歩く。途中、かっぱ橋道具街に寄る。

焼鳥屋ではありません
 かっぱ橋道具街は、食器や厨房機器、食品サンプルといった飲食店の商売に必要なあらゆる商品がそろう世界でも珍しい専門商店街。土曜日も比較的たくさんのお店が開いていて、その多くが一般向けに小売りしている。今まで聞いたことはあっても、訪れるのは初めてだった。
 商店街は、片側一車線道路の歩道がアーケードになっていて、独特なキャラクターが出迎える。一瞬よくわからなかったが、当然「かっぱ」なのだろう。どの店もさすがプロ向けとあって、皿ひとつとっても、たくさんの種類はもちろん積まれている数も桁違いに多かった。

何人分?

倒産?

 また普通の店では見られないような商品も多数見受けられ、興味を誘う。看板やちょうちん、「当店は備長炭使用しています」というものまであった。
 歩道に置かれていた巨大な釜。ごはんなら500人前、みそ汁だったら1000人前ができるそうで、お値段は20万円とのこと。ちなみにもともとは卸売りのため、消費税は総額表示ではなくあくまで外税。
 空っぽのショーケースが並ぶ店内。まるで倒産したかつぶれてしまい、商品がすべてなくなってしまったかのような、ここはショーケースのお店。

金河童!

 さらに先に進んでいくと、神々しい金の「かっぱ」が…去年(2003年)の10月に建てられたばかりとのことで、金に輝いていた。ここの商店街組合が発足して90年の記念事業なのだそうだが、表情がやけにリアルだ。さすがプロ御用達の商店街。やることが違う…。

お腹がすく気がする

 一番たくさんの人だかりができているのは、やはり食品サンプルを打っているお店だった。よく見かける寿司やラーメン、スパゲティーはもちろん、天ぷら、揚げ物、焼鳥、煮物、取れたてのカニや魚など…考え得るあらゆる食品がサンプルとして並んでいた。おもしろいところで、煮物で使うレンコンやタケノコのばら売りなどもあった。しかも、それぞれの形や大きさがバラバラなので、それこそ本物と見間違えそうなできばえだった。お土産用にオクラのイヤリングなどもあったが、さすがにこれは身につけるには勇気がいるような…

桜より断然人が多い

 かっぱ橋道具街にずいぶん長居してしまったが、その後浅草を経て隅田公園へ。一部の桜は満開を過ぎてしまった感じだったけれど、多くの桜はまだ花をつけていた。さすが名所だけあってものすごい大勢の見物客でにぎわっていた。また隅田川にもたくさんの屋形船、行き交う水上バスも乗客であふれんばかりという感じだった。

3月2004年4月5月

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