8287 朝の新宿散歩
特に明確な目的もないまま、時間の空いた早朝の新宿駅周辺をあてもなく歩いてみた。
まず甲州街道からヨドバシカメラ本店付近へ。
再開発により目まぐるしく姿を変える新宿において、この一角は比較的かつての面影を残している場所と言えるかもしれない。
バスタ新宿へ機能が移転した後の旧新宿高速バスターミナル周辺も、大きくは変化していないようだ。

しかしその隣には、竣工を間近に控えた新しい高層ビル「明治安田生命新宿ビル」が建っていて、今月末の竣工に向けて最終段階を迎えているようだ。ふだんは地下通路を利用することが多いため、地上から見る景色はどこか新鮮に感じられる。
旧新宿スバルビルがあった場所は、ぽっかりと空間が空いている。他のビルのように建替え工事が進んでいる気配がなかった。
近づいて確認してみると、地下駐車場へ続く車路として整備されていた。

そのすぐ隣、特徴的な造形のモード学園コクーンタワーを通り過ぎたあたりから、やたらと外国人観光客の姿が目立つようになってくる。まだ朝の7時を過ぎたばかりの時間帯だというのに、みんな精力的だ。
集まっている様子から察するに、定期観光バスやオプショナルツアーの集合場所になっているのだろう。


再開発工事が進む駅前を通って、新宿西口駅方面へ。
旧営団地下鉄のロゴがうっすら見える。こうした古いものが見られるのも、工事を観察するときの楽しみだ。
ここには戦後の闇市の面影を残す「思い出横丁」があり、昭和レトロな情緒を色濃く残す人気スポットとなっている。
平日の早朝ということもあり、大半の店舗はシャッターを下ろしている。
狭い路地を歩くだけでも様々な発見があり、なかなか足が前に進まない。
その中で早朝営業を行っているそば・うどん店には、すでに数名の客の姿が見える。
このあたり一帯、夜になれば、まったく違った風景になるのだろう。
JRのガードをくぐり、新宿東口方面へと抜ける。
かつてのランドマークであった新宿アルタの建物は姿を消し、敷地はすっかり更地になっていた。
そのまま歌舞伎町方面へと足をのばす。
もともと朝方は人通りの少ないエリアではあるが、この日は輪をかけて静かだった気がする。
ただ、それ以上に目を引いたのは、路上に散乱するゴミの多さであった。
また、広場の周囲には相変わらず柵が張り巡らされ、内部へ立ち入れないよう厳重に封鎖されていた。
開業当初にさまざまな議論を呼んだ東急歌舞伎町タワーへと向かう。
1階のスターバックス利用客は、ほぼ全員が外国人観光客であった。
2階のエスカレーターを上がった先にある24時間営業のエンターテインメントフードホールは、客が誰ひとりとしていない閑散とした状態だったのは、以前と変わりない。
一方で最も大きな変化を感じたのは、設置当初に話題となったジェンダーフリートイレで、こちらは完全に改修され、きわめて一般的な男女別のトイレになっていた。
全体的に独特な空間であることに変わりはない。

広場周辺にたむろする若者の姿はあまりなく、目立つのはやはり観光で訪れた外国人ばかりであった。夏休み期間中につき子どもたちの姿も期待したが、早朝という時間帯もあってか、その予想は外れることとなった。
ぐるりと巡って新宿駅へと戻る。
時刻は8時を回り、本来であれば通勤ラッシュのピークを迎える時間帯である。
しかし、連休の狭間にあたる平日であり、お盆休みを目前に控えている影響か、構内の人波はいくぶん穏やかに感じられた。
それでも人の流れに身を任せなければ前進できないほどの混雑で、歩き慣れていなければ、意図しない方向へと流されてしまいそうだ。
1時間ほどの短時間ではあったが、激変を遂げる場所と変わらぬ佇まいを残す場所がモザイク状に混在する、密度の濃い”朝の散歩”の時間だった。




















