8278 バスターミナル東京八重洲(地下A)
バスターミナル東京八重洲の第2期エリアが開業してから、およそ4ヶ月が経過した。
以前からその変化と実態を確認したいと考えていたものの、なかなか訪れる機会に恵まれなかったが、ようやく現地を視察することができた。
第1期エリアが「地下B」と位置づけられ、今回新たに供用開始された第2期エリアは「地下A」と呼ばれている。
この地下Aが存在するのは、大規模再開発によって建設が進む「TOFROM YAESU」の地下部であり、八重洲地下街(ヤエチカ)とダイレクトに直結している。
ビル自体は未だ開業前であるが、地下のバスターミナル機能が一足早く先行して稼働を始めた形だ。
一部工事が続く通路を抜けて地下Aへと足を踏み入れると、乗降スペースはバスの走行路を囲むように配置されており、歩行者と車両が交差しないよう設計されている。
さらに乗降時のみ可動式ドアが開閉する仕様となっているため、喧騒や排気ガス感はなく、驚くほど静寂な空間が保たれている。
しかし一方で、通路の幅員はやや狭く、構造上、どうしても目的の乗り場に到達するまでの歩行距離が長くなりがちである点も否めない。
バスを降りたら、まずどちらに向かえばいいのかについては案内表示があるが、予習していないと迷いそうだ。
待合スペースや各種設備も必要最低限に抑えられた極めてシンプルな造りだ。
セブンイレブンは先日オープンしたばかりみたい。
ガチャガチャやATM、自動販売機などを集めたコーナーがあった。
時間帯の影響もあってか発着便数・利用者ともに少なく、まだ賑わいには乏しい印象だ。
観光案内所などの隣接しているが、まだお客さんがほとんどいないので、係員も手持ち無沙汰な感じだった。
今回、現地でもっとも強い印象に残ったのは、この「地下A」が既存の「地下B」とは異なる区画であることを強く注意喚起する案内表示の多さであった。
実際に地下Aと地下Bは直接接続されておらず、八重洲地下街を経由して移動する必要があるため、徒歩で数分の時間を要する。
構内図や位置関係をあらかじめ把握していなければ、迷ってしまう利用者が多発するのも頷ける。
配布されていたフロアガイドを参照しなければ、自分も一瞬移動ルートを見失いかけたほどだ。
開業直後の訪問以来となった地下Bへ移動してみると、地下Aとの大きく構造が違っていることに気がついた。
地下Bは、バス走行路の中に乗降場が設置された、鉄道で言えば「島式ホーム」に近い配置となっており、実際の乗り場へはさらに階段を下りる2層構造となっている。
ガラス越しに大型バスの姿が間近に見え、発着便数も多い地下Bには、大型ターミナル特有の活気と熱気が満ちていた。
さらに現在は、2028年度の完成を目指して「地下C」エリアの建設工事が着々と進められている。
今回歩いて強く実感したのは、「バスターミナル東京八重洲」という統一名称が掲げられてはいるものの、地下Aと地下Bのそれぞれのエリアはかなり離れており、事実上「別々のバスターミナルが隣接している」に近い感覚であるということだ。
最初に開業した地下Bは「東京ミッドタウン八重洲」、今回の地下Aは「TOFROM YAESU TOWER」の地下にそれぞれ位置しており、地上構造物そのものが独立していることが一体感の欠如につながっている。
そもそも再開発とは、街全体の機能を整理統合し、できる限り理想的な状態へと再編する手法であるはずだ。
しかし、このTOFROM YAESUの敷地周辺には一筋縄ではいかない奇妙な光景が存在する。
再開発の過程で立ち退きや買収に至らなかった既存ビルが、TOFROM YAESU の谷間に残存しているのだ。
間近に寄って観察すると、外壁には「再開発除外物件」と記された立派な銘板が掲げられており、土地権利者の強い意志を感じた。
地下Aと地下Bの分断や不自然な不連続構造には、こうした地上の権利調整の難航や土地の不整形が、複雑に影を落としているのかもしれない。

















