8277 十数年ぶりの市役所

父の納税確認とマイナンバーカードの更新手続きに付き添うため、数十年ぶりに川越市役所の庁舎を訪れた。
まずどこに向かったらいいかわからず、総合案内でカウンターの番号を教えてもらうことで事なきを得たが、初めて向かう窓口へ直接辿り着くのは容易ではない。
そのために総合案内があったり、カウンターの案内があったりするのだろうが、そのカウンターには、担当者の配置を示す案内矢印が入り組んで貼られており、かえってややこしくなっていた印象は否めなかった。
しかし、納税に関する窓口も、マイナンバーカード更新窓口も、対応に当たってくれた職員の接客自体は非常に親切かつ丁寧であり、手続き自体は極めてスムーズに進行した。
館内のあちこちに見られる手作りの案内表示や工夫の痕跡についても、それ自体が悪というわけではない。
むしろ限られた予算と設備の中で、少しでも利用者の利便性を高めようとする現場の創意工夫として受け止めたい。

ただ、どうしても違和感を拭えなかったのが、窓口を隔てる透明ビニールシートの存在だ。
ビニールシートを保持する段ボールが、手作りを感じさせる。
以前、川口市立図書館などでも目にした光景だが、民間企業の店舗や施設ではすでにほとんど撤去されたコロナ対策の遺物が、公共空間には今もなお残されているのだ。
感染症対策としての有効性に疑問が呈されるようになった現在においても、こうしたシートが漫然と維持され続ける背景には、市民からのクレームや批判を極度に恐れる行政特有の防衛本能なものを感じてしまう。
現場の工夫として微笑ましく見えていた手作りの掲示物や仕切りが、実は「市民からの過剰な指摘から身を守るための盾」として機能しているのだとすれば、それは少々考えさせられる問題だ。