8245 ひっそり閉店

日常生活,物思いに耽る(雑感)

比較的よく通る道を歩いているとき、ふと、どことなくいつもと違う空気感を感じた。

最初は具体的に何が変化したのか分からなかったが、よく見ると、小さな店の前に1枚の紙が張り出されているのが目に留まった。

ひっそり閉店していた
ひっそり閉店していた

それは、閉店を知らせる貼り紙だった。

その店は、サンドイッチや文房具など、近くの学生が必要とするちょっとした物品を扱う、ささやかな商店だった。

以前から存在は認識していたし、過去に店主の入院やコロナ禍による長期休業があったことも、今回と同じような店頭の貼り紙を通じて知っていた。

しかし、結局のところ、一度もその店を利用することはなかった。

客観的に見ればほとんど接点はなく、直接的な関わりもないと言っていい。

それにもかかわらず、こうして「閉店」という決定的な事実を突きつけられると、不思議なほど心がざわつき、気になってしまう。

最初から最後まで全く存在を知らなかったわけではなく、ときどきその佇まいを意識していたという意味では、自分の人生にとって完全に無縁な場所であったとは言い切れない。

極めて僅かであっても、それを「無関係」と断定してしまうのは、どこか違う気がしてならないのだ。

もし一度でもあの店に入って、何か一つでも商品を買っていたら、そこから新しい縁が生まれたり、何か小さな発見があったりしたかもしれない。

そうした可能性に思いを馳せると、急にとても惜しく、残念なものに思えてくるから不思議だ。

Posted by ろん