8178 展覧会「長沢蘆雪」(後期)

博物館・展覧会,芸術・デザイン

府中市美術館で開催中の「長沢蘆雪」展。

前期と後期で作品の多くが入れ替わるため、先日訪れた前期に続き、今日は後期の鑑賞に足を運んだ。

長沢蘆雪展の後期へ
長沢蘆雪展の後期へ
帰る人たち。平日でも多い。
帰る人たち。平日でも多い。

多彩な展示の中でも、特に後半の作品群が強く印象に残っている。

まずは「四睡図(しすいず)」。豊干、寒山、拾得が虎と共に眠る姿を描いた禅画で、安らかな眠りが仏教の悟りの境地を示すとされる。

先日、下村観山展で観た「四眠」を思い出しながら眺めたが、蘆雪はこの、なんとも”のんき”な画題を好んで描いたようだ。

弟子の寒山と虎しか描かれていない「二眠」があった。

解説でもその意図は不明とされていたが、あの愛らしい子犬(わんこ)を描く蘆雪のことだ。

あえて子供と動物の可愛らしさを強調するために、そう描いたのではないかという想像も膨らむ。

そして、展示の掉尾を飾る「竜虎図襖」は、和歌山・無量寺が所蔵する国の重要文化財だ。

龍が雲を呼び、虎が風を生じるというダイナミックな対峙もさることながら、龍の側に描かれた「雨」の表現に目を奪われた。

大量の水気を含んだ墨をあえて垂らし、それが滴り落ちる様を雨に見立てる手法。

計算された「滴り」が、かえってリアルな雨の質感を表現している。

また、極端に縦長い画面の上部に大勢の子供たちがひしめき、下部にはつぶらな瞳をした象の一部が描かれた《象背戯童図(ぞうはいぎどうず)》も、蘆雪らしい奇抜な構図が光る一幅だった。

Posted by ろん