8162 さっきも言った…ではなく

ちょっとした投稿,物思いに耽る(雑感)

実家に帰ると、両親が大リーグ中継をよく見ている。

自分自身はそれほど野球に強い関心があるわけではないが、先日目にしたある話題が強く心に残った。

歌人の俵万智さんがX(旧Twitter)で、元メジャーリーガーの斎藤隆さんの解説について触れていた。斎藤さんは、同じことを繰り返し説明する際、「さっきも言ったように」ではなく「さっきも聞いてもらったように」という表現を使っていたのだという。俵さんはその一言に、聞き手への柔らかな配慮を感じたと綴っていた。

たしかに、スポーツ中継のような長時間の放送では、同じような質問や場面が何度も繰り返される。

そのたびに解説者が「さっきも言ったように」と口にするのを、これまで何度も耳にしてきた。

その言葉には、どこか言外に「何度も同じことを言わせるな」あるいは「さっきの説明を聞いていなかったのか」というニュアンスが、どうしても拭いきれない気がしていた。

無意識のうちに、発信者である解説者側の立場が強く出すぎてしまうのだろう。

しかし、それを「聞いてもらった」と、受取手である視聴者側に視点を移すだけで、受ける印象は驚くほど変わる。

こうした言葉の綾を気にするのはごく一部で、聞き流してしまう人の方が多いのかもしれない。

あまり神経質になりすぎる必要もないとは思うが、言葉のプロである俵さんはもちろん、この自分私ですら違和感を抱いていたのだ。

自分の考えを伝えるとき、ほんの少し相手の立場に立った心配りができるかどうか。
日常の何気ないやり取りの中でも、大切にしたい視点だとあらためて感じた。

Posted by ろん