7858 集団行動訓練の是非

いろいろ考えさせられたニュース。
「万博で恥ずかしくないように」大阪公立中で2時間“集団行動訓練”に疑問の声…博覧会協会は関与否定、では誰の指示?<
整列、着席、あいさつといった動作が完璧にそろうまで繰り返されたその授業は、生徒に精神的・肉体的な負担を強いたという。一体、誰が何のために訓練を行ったのか――。
記事の中では、こんな指摘もあった。
たかが万博に行くだけのために、2時間弱も指導を続けているのは、授業の1時間の枠を超えていて長いといえ、『どうしてなんだろう』とは思います。
集団行動が求められる背景に、子どもたちの安全ではなく「外向きの体裁」を重視する意識が入り込んでいないか。教育の役割を改めて確認する時が来ているのではないだろうか。
この記事では、この訓練を批判的に書いていたが、「万博で恥ずかしくないように」というキャッチーな表現が、この状況の本質を見失わせていると思った。
大勢の中学生を、不特定多数の人たちが集まる万博会場で、トラブルなく過ごしてもらうことは、相当に大変なことだろうと思う。
しかも、その行き帰りの公共交通機関で往復することは、もっと気の抜けない時間のはずだ。
自分は引率した経験はないが、そうした苦労があれば「外向きの体裁」の入る余地なんてないと想像する。
たかが万博に行くだけだからこそ、訓練、指導しないといけないのだ。
なぜ騒いではいけないのか、なぜ列を乱してはいけないのか、子どもたちに、その理由を説明しても、おそらくなかなか理解は難しいだろう。
彼らは「少しぐらい騒いでもいいだろう」くらいにしか考えていないし、実際、彼らと同じ頃の自分だったらそう考えていた。
しかし引率する側からしたら、そんな好き勝手を許すわけにはいかない。
百人単位で各自が少しでも統率を乱すようなことがあれば、とてもトラブルなく引率なんてできないからだ。
これは、以前取り上げた、避難訓練の件にも通じるものはあるが、それとはまた違った留意が必要かもしれない。