7829 DESIGN MUSEUM JAPAN展 2025

国立新美術館にて開催中の展覧会「デザイン ミュージアム ジャパン(DESIGN MUSEUM JAPAN)展 2025~集めてつなごう 日本のデザイン~」を鑑賞。
日々の生活に溶け込み、豊かさや活力をもたらすデザインは、グラフィックやプロダクトといったものだけでなく、地域の伝統技術、町並み、道具の仕組み、生活習慣にも優れたデザインが隠れている。
そんなデザインを、8人のクリエーターたちが日本各地をリサーチして、発見したデザインとその内容を展示する企画だ。
すでに2回開催されていて、今回は3回目だそう。
「『ほうろうの生活用品』〈デザイナーなし〉の温かいデザイン」(栃木市)
「『ヒラギノフォント』明朝体と京都の新しく古い関係」(京都市)
「『氷室』かき氷を生んだランドスケープ」(奈良県天理市)
「『魔法瓶』ガラス職人たちの情熱が生んだ〈特産品〉」(大阪市)
「『大漁旗』漁師たちを鼓舞する魂のデザイン」(鳥取県米子市)
「『石州瓦』瓦が生み出す町の〈雰囲気〉」(島根県大田市)
「『街路市』市300年続くコミュニケーションのデザイン」(高知市)
「『スナック』〈間〉をつなぐ本能のデザイン」(宮崎市)
どれも興味深いものばかりだ。
ヒラギノフォント
フォントと地域は関係あるの?と思ったら、ここで紹介されていた明朝体のルーツとされているのが、京都の宝蔵院が所蔵する「鉄眼(てつげん)版一切経(いっさいきょう)」の版木だそう。
意外な縁があるのだ。

ほうろう
酸や塩分に強い”ほうろう”は、食材や薬品の保存に適しているため、日常生活から医療、産業まで、さまざまな分野で使われてきた。
でも、現在鋼板でほうろうを一貫生産しているメーカーは、日本では、栃木市にあるただ1社しかないそうだ。
もっと見直されてもいいような気がする。
魔法瓶
大阪という地域と魔法瓶はつながらなかったが、実は江戸時代からガラスの産地として知られていたそうで、ガラス職人が多数いた大阪に魔法瓶の一大産地となったという。
花柄の魔法瓶も懐かしいが、水筒型の大型の魔法瓶も懐かしかった…同じようなものを持っていた。
遠足の出発した直後に落として割ってしまい、しょんぼりしてた同級生がいたのも思い出した。

大漁旗
あらためて考えるまでもなく、大漁旗は日本独特の文化だ。
かつて漁に出た漁船が、陸で待つ家族や関係者に大漁を報せるために用いたという…だから”大漁旗”。
現在は、船を新造した船主に贈るお祝い品なのだという。
見ているだけで、なんだかテンションが上ってくるから不思議だ。

石州瓦
島根県大田市が主な産地とされる日本三大瓦のひとつ「石州瓦」。このあたりには行ったことはないが、赤い瓦屋根が印象的な風景を知っている。
山陽新幹線で東広島付近を通過するときに見える車窓だ。
石州瓦が使われる地域同様、東広島も冬に積雪が多く、寒さも厳しいことから、耐久性が高い石州瓦が使われているのだそう。
スナック
最初に紹介された、デザインとして研ぎ澄まされたフォントもいいが、自由に作られるこうした看板も大変味わい深い。
下手に盛り込みすぎることなく、これはこれである意味研ぎ澄まされた結果なのだろう。