7803 特別展「桜 さくら SAKURA 2025」

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山種美術館へ
山種美術館へ

山種美術館で開催中の特別展「桜 さくら SAKURA 2025 ―美術館でお花見!―」を鑑賞。

桜のシーズンはすっかり終わってしまったが、美術館の展示室では”見頃”といった感じで、たくさんの桜をを鑑賞できた。

いくつか気になった作品を挙げてみると…

松岡映丘《春光春衣》
平安絵巻のような貴族の女性が描かれている。
正直自分の好みの作品ではないのだけど、金泥?や金箔などふんだんに使われて、盛れるだけ盛った感じが、とても印象に残った。小茂田青樹《春庭》
小道を挟んで桜と椿が並んでいる。彼は川越にゆかりのある作家なので、この風景も、川越なのかなぁ…なんて思って観た。全体的に霞がかった感じだし、さらに言えば、どこか漫画のような…。川合玉堂《春風春水》
渡し舟はモチーフとしてよく取り上げられたという。しかも、古い時代のばかりでなく、ワイヤーと滑車を使うような渡し舟なども描かれたそうだ。いまはもう、こんな渡し舟は見られないだろうな。
橋本明《朝陽桜》
橋本明《朝陽桜》

橋本明《朝陽桜》
本展唯一写真撮影可能な作品。
そして今回の展示でもっとも、桜をデフォルメした作品でもある気がした。評価は分かれるかもしれない。春の桜といえば、春をやんわりと感じるものだが、この作品の桜はかなり濃厚で圧すら感じる。

川端龍子《さくら》
桜の花ではなく桜の木(幹)をドンと描かれ、花はわずかに見える徒長枝だけという大胆な作品。彼でなければ描けなかったのではないかと思えるほど、割り切りがすごい。

速水御舟《夜桜》
夜の闇の中にうっすらと浮かぶ桜。水墨画みたいに色が入ってないが、見る角度を変えると、キラッと光るところがある。白の糊粉や金泥を使っているみたい。暗くて表現しづらいはずなのに、奥行きも感じるところは見事だと思った。

「桜 さくら SAKURA 2025」
「桜 さくら SAKURA 2025」

今回展示されていた作品のうち、小林古径《弥勒》奥村土牛《醍醐》などは、以前の鑑賞で写真撮影可能だったときもあったが、今回はダメだった。

今回ちょっと思ったのは…

山種美術館は、これまで何度も鑑賞していることもあってか、収蔵品については「だいぶ”見慣れて”きてしまったなぁ…」と感じたこと。

少しずつ新しい発見がしづらくなっている感じなのが、ちょっと気になる。

Posted by ろん