働く車分解図鑑/クルマ解剖研究所
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- カンゼン (2023/9/15)
さまざまな「働く車」を、わかりやすく図解で紹介している。
特に興味深いのは、それぞれの車の最大の特徴をより詳しく説明しているところ。
たとえば、「はしご車」だったら、それぞれの名称や役割はもちろん、はしごが伸びる仕組み、車体の大きさの割に小回りの利く四輪操舵などの紹介、「ポンプ車」だったら、放水やポンプの仕組み、「救急車」だったら防振架台(寝台)が揺れない仕組み、レッカー車なら牽引方法などかなり詳細な情報まで載っている。
知らなかったこともかなりあった。
かつて実家近くでしょっちゅう見かけた「バキュームカー」は、いまでは臭気対策として香水の理論を応用した真空ポンプ用オイルが開発されているとか、リゾートなどで活躍するバキュームカーの場合、バンタイプにして、あの”おなじみの形”を見せなくしていることもあるなんて初めて知った。
あまり見かけないと思ったら、実はけっこうあちこちにいたりするのかもしれない。
知らなかったといえば、地面を締め固める「ロードローラー」は、ただ円筒形の錘がアスファルトの上を行ったり来たりしているだけかと思ったら、内部に偏心ウェイトが仕込まれていて、さまざまな振動を起こすことができるようになっているなんて初めて知った。
こうした“外から見えづらい変化”についても詳しく紹介している。
「安全を守る車」、「暮らしを守る車」、「工事・建設現場の車」、「人・ものを運ぶ車」、「特別な場所で働く車」の5章構成となっていて、特に4章分については、それぞれの章ごとに“おさらいクイズ”が設けられている。
すべて3択問題ではあるが、かなり難しく、斜め読みでは絶対に正解しないと思えるほどだ。
あえて…なのか、本書では一切の写真はないのも興味深い。
イラストにすることで、よりわかりやすく説明ができるからなのかもしれない。