7796 Roof Park Fes & WalkでKK線を歩く
先日廃止になった東京高速道路(KK線)のウォークイベント「Roof Park Fes & Walk」が開催されたので行ってきた。
こういったイベントは以前は無料だったものだが、これは1000円。
でも、そうめったに行けるものではないから、けっして高くはない。

旧新橋入口が入場口となっていた。かつて走っていた車と同じように車路を上がっていく。
上がった先を振り返れば、汐留方面へと道路は続くが、こちらは今回公開対象になっていない。
以前も気になったが、ここはどうなるのだろう?
銀座方面もよく見える。ふだんは決して見ることのできない風景だ。
手荷物検査と参加料の支払ったことを示すQRコードを提示する。
手荷物のなかに、開封済みのペットボトルや水筒などがあると飲むように指示されるほど、手荷物検査はけっこうしっかりと中身を確認している。

新橋駅方面へ進んでいくと北向きに急カーブがあって、かつての土橋入口が合流してくる。ちょうどそのあたりの真正面に、東海道新幹線の線路がある。
東海道新幹線の線路が真横に来る場所というのは、かなり少ないから、かなり迫力のある写真が撮れる。
新幹線は頻繁に通るが、待つとなると意外と長く感じる。

都心を走る高架道路であれば、騒音防止の観点から、高い防音壁で囲まれていることが多い。
しかしKK線は、道路の規格が古いためか、周囲に住宅などがないせいか、はたまた最高時速40kmという制限のせいか、防音壁のようなものは皆無だ。
そのおかげで、かなり見通しが良い。
周囲の景色を楽しみながらしばらく歩いていくと、”イベントエリア”にやってきた。
あまり気にしていなかったが、イベントエリア以外は一方通行となっていたようだ。
KK線ができたころに走り始めた、スバル360、トヨタパブリカなどの車両の展示、

KK線の建設前後の写真や模型などの展示、KK線のためだけのパトロール車なども展示されていた。この車は、今後首都高速の方で使われることになるのだろうか。
行き先の案内表示も、現役時代そのままだった。
高速道路上の行き先案内は緑地だが、このように青地なのは、この道路が本来の高速道路ではないことを意味している。
それにしても、こうして近くから見ても、なんだかかなり小さい。
KK線は廃止が伝えられてから、1度だけ通ったことがあるが、当然周囲の様子をじっくり見ることなんてできないから、ただ”通り抜けた”だけだった。
こうして、ゆっくりと数寄屋橋交差点を上から眺めていると、あらためてこの道路が廃止されたことを実感する。
ちびっこたちにも楽しんでもらえるように…と、道路に落書きをしていいよ…というコーナーや、横になれるコーナーなどがあった。
今日は場所によっては30度近い気温になったようで、日差しの下ではかなり暑かったが、湿度は低めのせいか日陰だと過ごしやすい。
イベントも楽しそうではあるが、気になるのは、やはりKK線の”名残”だ。
遊歩道やイベントスペースなどに生まれ変わるとしたら、この光景はまた見られるだろうけど、道路だった名残はおそらくきれいになくなってしまうだろう。
その最たるものが、首都高速との乗継所だろう。
無料の”高速道路”であったKK線は、有料の首都高速からふたたび首都高速に戻る車が首都高速を降りたことしないため、首都高速とのあいだには、乗継所が設けられた。
間近にこうした設備を見られるのは、今日が最初で最後になるかもしれない。
ここでイベントスペースは終わり。
KK線は、右に急カーブして進路を東方向に変える。
いま歩いてきたところと、並行して走る外堀通りがよく見える。
京橋のところまで行けると思ったら、西銀座の入口から退出のようだ。
けっこう歩いた気がしたが、歩数計を見ても意外なほど歩いていなかった。
たった2kmしかないのだから、当然だが、見どころが多かったせいか、充実した感じがする。
遊歩道として開放されるのは、かなり先のようだけど、このころになったら、いったいどんな風景が見られるだろう。
けっこう楽しみだ。