身近すぎて気づかない、偉大な発明図鑑 /クライブ・ギフォード

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身近すぎて気づかない、偉大な発明図鑑
クライブ・ギフォード (著), 定木大介 (翻訳), ナショナル ジオグラフィック (編集)
日経ナショナル ジオグラフィック (2024/11/14)

当然と言えば当然だが、身の回りにあるすべてのものは、間違いなく誰かが発明したものだ。

しかし、それがあまりに身近すぎるゆえに、それが偉大な発明であることを意識することはほとんどない。

本書は、そんな、さまざまな”発明品”について、原則として1ページで紹介している。

なかには、以前、これこそ偉大なる発明ではないかと取り上げた「眼鏡」も紹介されていた。

あまりに身近で”発明”と思えないようなものとして「車輪」も取り上げられて、その見出しがちょっと気に入った。

「歴史上ほとんどの発明は自然界からヒントを得ている。
ピッチフォークやテーブルフォークは二又に分かれた木の枝から、飛行機は滑空する鳥の姿から生まれた。
しかし、車輪は純然たるホモ・サピエンスの発明である」

「傘」もすごい”発明”だろう。

もともと傘は、日除けの用途が先にあったようだ。

自家用馬車を持てない人間であると思われてしまうため、卑しい身分だと誤解されたくない人々は傘をささなかったという。

本書は、アメリカで出版されその翻訳ということもあるのだろうが、アメリカでの情報が中心となっている。

たとえば、日本ではそれほど多いとは思えない「ネズミ捕り」について、アメリカではこれまで4000件を超える特許が申請され、現在でも毎年平均20件も申請があるらしい。

発明品のなかに「パーティータイム」なんて項目があったので、これはいったい何だろう?と思ったら、風船、ポテトチップス、曲がるストロー(1937年アメリカで特許取得)、コルク抜きといったパーティーで主に使われる?ものをまとめて取り上げていた。

そして、ちょっと気になったのは、本書で取り上げられている発明品のなかで、日本で誕生した発明が皆無だったことだ。

たとえば「バーコード」(p.100)はあるが、QRコード(二次元バーコード)は軽く触れているだけだし、「コンピューターゲーム」(p.162)でも発明ではなく、あくまで経過として、タイトーやナムコ、任天堂が登場するだけだ。

何もないところからの発明というものが、日本では誕生しにくいのだろうか?

Posted by ろん